親子のステージ | 12才からの海外ボーディングスクール

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変えられるのは、未来だから、人生面白いのでしょう!


昨年まで、長女がピアノ伴奏をしていた次女の発表会。

今年は私が楽器を習い始めたことと、タイムリーにサントリーホールでの発表会があるということで、
伴奏を引き受けてみた。

親子で初めてのスキー大会にエントリーするのと違って、こちらはステージ歴が多い分、
プレッシャーとか緊張感が次女よりもはるかに少ない。

一方、次女のほうは年々ハードルの上がる演目に反比例している練習量で、
プレッシャーと緊張の直前を過ごしていた。

「音楽をやめたい!」

ペットの代わりにお世話したい、と無邪気に楽器を扱ってきた次女が、
これまでにない大曲と、いままでしたこともない練習から逃れたいと思った瞬間である。

次女の言葉を聞いて、自分はなぜ逃げ出さずにやってこれたのかを考えてみた。

そして、「やめても良いけど」という逃げ道を作りながら、「もう少しだけ頑張ってみる」目標をいっしょに確認した。

それから音楽のみならず、自分の好きなこと、好きなもの、やりたいことを考えながら勉強していくとそれに近づけるよと、言い聞かせると、次女は目に涙をいっぱい溜めながらじっと考え込んでいた。

発表会前日。
私のほうが、練習にテンパってて、しつこく何回も弾いていた。
せっかく練習についてきた次女を放置しておくわけにもいかず、
「指遣いだけ読んでみてごらん」とか
「弓だけ動かしてみてごらん」と声を掛け、私も納得のいくところまで練習をしたときには、
次女はバテバテで、最悪に不機嫌だった。

発表会当日。
次女も覚悟を決めたのか、「緊張する」と言うわりに、とても冷静で落ち着いてイメージ・トレーニングしていた。
そうして大人のほうは練習の6-7割程度の演奏で、

「本番なんてのは、そういうものさ」

と思ってしまうところだが、次女のみならず、子どもたちは数々の奇跡をステージで披露していた。

実際に次女は、これまでに弾けなかったお手本どおりのテンポで、ぐいぐいと演奏を始めた。
予想外のペースに、私の伴奏はレッドゾーン状態に陥った。

もたついていたリピートの箇所もすべてスムーズで、私は曲の速い流れに溺れないよう自身を操縦するのに精一杯になった。

自分の練習のときに「伴奏というより、妨害になってしまいそうな」と苦笑していたのが、現実味を帯びた瞬間だった。

立派に演奏を終えた次女は、いつになく自信に充ち溢れていた。
さらにこれまで、「重いから」と私に持たせていた楽器を、家まで両手で抱きかかえて持ち帰ったのだった。

「子どもたちの力にいつも驚かされます」
発表会の最後に、バイオリンの先生がおっしゃった。

発表会の奇跡は、決して次女だけではなく、ステージに立った50名あまりの子どもたち一人ひとりに起こっているのだ。

「こんな小さなうちから、こんなに上手でどうするの?」
はじめて子どもたちのバイオリンのコンサートを聞きに行ったときの感想である。

親として一緒にステージに立ってみてわかったこと。
それは、子どもたちはプロ・ミュージシャンのようにお金をもらう、もらわないに関係なく、
点数や順位がつくつかないに関わらず、ステージの上でも進化を続けている。
それはもはや、練習の成果を「発表」するのではなく、次なる成長を披露してくれる場なのだ。

大人が本当に挫折すると、「引退」の二文字がちらつくが、子どものスランプは、急上昇の前触れでしかないのだと思った。

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