ベロニカのオススメ洋書☆ -2ページ目

ベロニカのオススメ洋書☆

洋書歴15年のベロニカが英語レベル別にお勧めの洋書を紹介します☆

皆さんは、読み終わった洋書はどうされていますか?洋書は分厚いものが多くて、置くところに困ってしまいますね~。

ブックオフなどの大手古本屋では、洋書も引き取ってくれる店舗があります(店舗によって違いますので事前に確認を)。ただ、洋書自体のニーズが低いからか、コンディションの良いものでも一冊100円程度など、捨てるよりはいいかな、程度の値段でしか引き取ってもらえませんので期待はしないでください。

私は、読み終わったものはだいたいフリーマーケットで他の不用品と一緒に売ってしまいます。都内の大きなフリーマーケットにはかなりの人が来るので、外国人の方や洋書好きの日本人などが買って行ってくれます。古いものは100円くらい、新しいものは300円~400円程度と、やはり高値で売れるわけではないですが、古本屋に買い取ってもらうよりは金額が高いこと、そして何よりも、読んでくれる人の顔が見られるのが嬉しいのですニコニコ 「どれが一番面白かったですか?」と聞いてくる人もいて、お気に入りの本をお勧めしたり・・・ぜひ一度フリマをお試しください☆ 都内と関東近郊では毎週末、必ずどこかでフリマが開かれているので、スケジュールを知りたい方はこんなサイトもあります↓

http://www2j.biglobe.ne.jp/~tatuta/

もう一つ、読み終わった洋書の処分にお勧めな方法があります。スターバックスで、「Book For Two」という活動があるのをご存知でしょうか?


ベロニカのオススメ洋書☆

一般書籍や雑誌、洋書などを店舗に持って行くと、スターバックスが専門家に買取をしてもらい、そのお金が全額、目の不自由な方のためのオーディオブックの制作に役立てられます。今年の受付期間は12月1日(水)~12月25日(土)です。自分が読み終わった本で目の不自由な人たちに新たな「本」を贈ることが出来るなんて、素敵なクリスマスプレゼントですよねドキドキ

Holy Cow!: An Indian Adventure/Sarah Macdonald
¥957
Amazon.co.jp


難易度★★★


インドという国ほど、その評価が両極端な国はありません。「素晴らしく興味深い国」という人もいれば「二度と訪れたくない」という人・・・しかし訪れた人の誰もが、良くも悪くも魂を揺さぶられるような強い感情を抱く、それがインドなのです。

21歳で初めてインドを訪れた著者のSarah Macdonald は、「愛のために必ずこの国に戻って来るだろう」と予言する占い師に背を向け、二度と戻って来ないことを誓いながらインドを後にします。そして11年後、彼女は占い師の言葉通り、「愛のために」再びインドの地に降り立ちます・・・

この本のタイトルは「Oh My God!」と同じ意味で使われる「Holy Cow!」という言葉と、インドで神の化身として崇められているHoly Cow(聖なる牛)を引っかけたものですが、タイトルと同じくらいユーモアたっぷりに語られるのは、筆者とインドの「愛憎関係」です。個人の自由と幸せよりも家族のFace-saving(面目を保つこと)を優先するインドの文化は、個人主義のオーストラリアで生まれ育った彼女には受け入れ難いものでした。しかし、仏教、シーク教、イスラム教、ヒンドゥー教などさまざまな宗教の「つまみ食い」をしながら、彼女は次第にインドに魅せられていきます。ヒマラヤ山中での沈黙の修行や紛争に揺れるカシミール地方、ヒンドゥー教の沐浴祭クンブ・メーラから見えてきたインドは、さまざまな文化や宗教が複雑なモザイクを形作り、微妙なバランスを保ちながら共存する社会だったのです。

時として腹立たしく、それでいて何故か憎めないインドの文化はイタズラ好きの子供のような魅力を持っています。そんなインドを愛するようになってしまった著者の「自分探しのインド紀行」を面白おかしく綴った本書は、インドへの旅のお供にもぴったりの一冊です。

読みやすく書かれていますが、ユーモラスでセンスの良い文章や宗教関連の聞き慣れない語彙も多いため中級以上の方にお勧めです。


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How Starbucks Saved My Life: A Son of Privilege.../Michael Gates Gill
¥1,147
Amazon.co.jp


難易度 ★★


How Starbucks Saved My Life」(邦題:「ラテに乾杯!」)は大手広告会社で勤続25年の重役だった著者が突然解雇を言い渡され、妻と離婚し、すべてを失って64歳という年齢でスターバックスの店員として働くことになった体験を綴った実話です。

自己憐憫と昔の栄光への未練を抱え、スターバックスでラテを飲んでいた彼を雇ったのは、若い黒人女性の店長でした。上流階級の白人社会で育ったエリートが労働階級に転落したみじめさと戦いながら働き始めたスターバックスで、生まれて初めての働く悦びを知ります。唯一の白人従業員として、世代も育った環境も違う黒人の上司や同僚たちと働きながら、彼は自身の差別意識や家族との絆を顧みなかった過去の過ちに気づいていきます。

著者はもともと作家ではないので文章センスは高くはなく、昔の回想もやや多すぎる気はしますが、アメリカ社会の人種問題が生み出す階級差別を浮き彫りにし、同時に「本当の幸せとは何か」を考えさせられます。

顧客だけでなく従業員も大切にし、真のホスピタリティを追求するスターバックスの会社方針がよく分かるので、スターバックスファンはもちろんのことサービス業に関わっている方には非常に興味深いと思います。ちなみに著者は現在もスターバックスで働き、引退するつもりはないようです。

本のボリュームはそれほど多くなく、非常に読みやすく書かれているので気軽に読める本です。ぜひスターバックスでコーヒーを片手に読んでみてください。体も心も温まること請け合いですよ☆



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行ってきました、渋谷東急に先月オープンしたMARUZEN & ジュンク堂書店。東急本店の7階、ワンフロア全部という広さ、しかも洋書の品揃えには定評のある丸善とジュンク堂なんですから!期待に胸を躍らせながら行ってみました。


ベロニカのオススメ洋書☆

やっぱり広い~!どこまでも、どこまでも続く本棚たち。本屋さんって、どうしてこんなにワクワクするんですかね~☆

ちょうど真ん中あたり、「語学」と書いてあるセクションに洋書売り場が。一列ずっと洋書が並んでます!


ベロニカのオススメ洋書☆


洋雑誌、絵本、洋書の英語教材、小説、ビジネス本、コミック、一通り揃えてますね~。でも・・・あれ? 意外と・・・少ないかも。しかも、ずっと向こうまで洋書売り場かと思ったら、途中の通路まででした。小説セクションも、新刊や映画原作本はそれぞれが一棚ずつあるのですが、それ以外の普通の小説ペーパーバックたちは棚3つくらいしかなくて、置いてある本も、日本ですでに名前が売れている作家のものがほとんど・・・あまり知られてない作家の本を手に取って、「ん?これ面白そう!」という発見をするのが楽しみで本屋に足を運んでいる私は、いささかガッカリしてしまいました・・・ 新宿の紀伊国屋書店や池袋のジュンク堂書店のほうがずっと品揃えが豊富でした。でも、洋書を売っている書店が少ない渋谷で、新刊の本や日本で人気がある作家の本を買うだけなら十分使えると思いますよ☆



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The Handmaid’s Tale: A Novel/Margaret Atwood
¥1,328
Amazon.co.jp

難易度 ★★★★


日本ではあまり知られていませんが、この作品の著者マーガレット・アトウッドはカナダでは知らない者はいないほどの一流作家です。そしてカナダを代表する作家としての彼女の地位を不動のものとしたのがこの「The Handmade`s Tale」(邦題:「侍女の物語」)でした。

近未来のアメリカ。そこは、キリスト教原理主義に支配されたGilead共和国となっていました。女性たちは財産を所有することを許されず、離婚したり、子供を生むことが出来ない女性はUnwomanとして、強制収容所へ送られます。そして、物語の語り手である主人公のOffred は「司令官」とその妻のために子供を産む「侍女」としての生活を淡々と語っていきます。不気味で狂信的なGileadの姿は、女性のアイデンティティー、そしてユートピアとは何か、という疑問を鋭く投げかけてきます。

マーガレット・アトウッドの作品の魅力はストーリーだけでなく、その美しく詩的な文章にもあります。デビュー作が詩集だったアトウッドは作家と同時に詩人でもあり、彼女の小説は流れる詩(うた)のような文章で綴られているのです。私が洋書を読み始めたきっかけは、大学での英語の授業(日本でいう「国語」の授業)で教材として使われていたアトウッドの作品を読み、英語の文章の美しさにすっかり魅せられてしまったからです。この作品は、イギリスで最も優秀なSF作品に贈られるアーサー C. クラーク賞の最初の受賞作(1987年)であり、その他カナダ国内外の数多くの賞にノミネートされています。難易度は比較的高めですが、一行一行の美しさを噛みしめながら読んでほしい作品です。



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