スターバックスに人生を救われた男の「サクセスストーリー」 | ベロニカのオススメ洋書☆

ベロニカのオススメ洋書☆

洋書歴15年のベロニカが英語レベル別にお勧めの洋書を紹介します☆

How Starbucks Saved My Life: A Son of Privilege.../Michael Gates Gill
¥1,147
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難易度 ★★


How Starbucks Saved My Life」(邦題:「ラテに乾杯!」)は大手広告会社で勤続25年の重役だった著者が突然解雇を言い渡され、妻と離婚し、すべてを失って64歳という年齢でスターバックスの店員として働くことになった体験を綴った実話です。

自己憐憫と昔の栄光への未練を抱え、スターバックスでラテを飲んでいた彼を雇ったのは、若い黒人女性の店長でした。上流階級の白人社会で育ったエリートが労働階級に転落したみじめさと戦いながら働き始めたスターバックスで、生まれて初めての働く悦びを知ります。唯一の白人従業員として、世代も育った環境も違う黒人の上司や同僚たちと働きながら、彼は自身の差別意識や家族との絆を顧みなかった過去の過ちに気づいていきます。

著者はもともと作家ではないので文章センスは高くはなく、昔の回想もやや多すぎる気はしますが、アメリカ社会の人種問題が生み出す階級差別を浮き彫りにし、同時に「本当の幸せとは何か」を考えさせられます。

顧客だけでなく従業員も大切にし、真のホスピタリティを追求するスターバックスの会社方針がよく分かるので、スターバックスファンはもちろんのことサービス業に関わっている方には非常に興味深いと思います。ちなみに著者は現在もスターバックスで働き、引退するつもりはないようです。

本のボリュームはそれほど多くなく、非常に読みやすく書かれているので気軽に読める本です。ぜひスターバックスでコーヒーを片手に読んでみてください。体も心も温まること請け合いですよ☆



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