Cheat Jumps (追記あり 10/21) | cf. about figure skating

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フィギュアスケートについて、
気づいたことや考えたこと&調べたことあれこれを書いていきたいと思います。そして、一日も早く、公平公正なジャッジがなされるように願っております。

フィギュアスケートの技術についての記事を書くときは、

フィギュアスケートの解説書を読んだり、

ISUのルールに関する書類を読んだり、

色々な選手の演技をコマ送りで見たりして、

自分なりに、調べてから書いております。


……が、

最近、とても気になっていることがあるのです。


それは……


日本スケート連盟の技術解説の図解や、

日本で出版されている、フィギュアスケートの解説本に載っている、

ジャンプの図解(説明)が、全て「Cheat Jump」のものらしい……


……ということです。


つまり、日本のフィギュアスケート界では、

「Cheat Jump」が「正しい」もの、「良い」ものとしてまかりとおっている、

……という可能性があるということです。


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<Cheat Jumpとは>


「Cheat Jump」とは、


体をひねりながら離氷し、

トゥから降りてきて、ブレードをまわしながら着氷する、

構造上、回転不足なジャンプのことです。


離氷する前、つまり、氷に足がついている状態から、回転をはじめ、

トゥ(靴)が氷に接してから、膝や足首を回転させて着地するため、

少なくとも1/2~多い場合は1回転近く、

「回転数を誤魔化している」イコール「Cheat」なジャンプです。


本来なら、

回転不足、「underrotation」または「down grade」判定の対象にしなければならない

「悪質」な技術だと思うのですが、

実は、世界には、この「Cheat Jump」を使うスケーターがけっこう多いのです。


このジャンプが、どういう風に「悪質」かというと、


競技会においては、「正確」なジャンプ(こちらは「Delayed Jumps」と呼ばれます)を

使う選手のほうが、順位や採点において低く評価されてしまったり、


「Cheat Jump」を使う選手たちは、

足首や膝や股関節に大怪我をしたり、足の骨がねじれてきたり、

末期には、上半身と下半身がねじれてきたり……という恐ろしい副作用があります。


<Cheat Jumpを使うスケーターたち>


日本:

高橋大輔/羽生結弦

浅田真央/村上佳菜子/鈴木明子/宮原知子/安藤美姫


四大陸系:

デニス・テン(カザフスタン)

キム・ヨナ(韓国)/李子君(中国)


欧州系:

ハビエル・フェルナンデス(スペイン)/フローラン・アモディオ(フランス)

ブライアン・ジュベール(フランス)/ステファン・ランビエール(スイス)

ラウラ・レピスト(フィンランド)/サラ・マイアー(スイス)


USA:

アダム・リッポン/ジェレミー・アボット/エヴァン・ライサチェク

長洲未来/アリッサ・シズニー


カナダ:

ショーン・ソーヤー/シンシア・ファヌフ


ロシア:

エフゲニー・プルシェンコ/エリザベータ・トゥクタミシェワ

ユリア・リプニツカヤ/(アデリーナ・ソトニコワ)


Cheat Jumpの「Cheat」度合いはさまざまで、


全種類「Cheat Jump」という選手もいれば(これが一番多いですが)、


「Cheat Jump」というより「Strange Jump」とでも言いたいランビエールのような人もいて、


プルシェンコやトゥクタミシェワ、ソトニコワのように、

最初はどっちかというと「Delayed Jump」を跳んでいたけど、

だんだん「Cheat Jump」化していっているという選手もいます(浅田真央もこのタイプ)。


シズニーやアボット、ライサチェクあたりは、

「Cheat Jump」というよりは、「Delayed Jump」の回転不足ジャンプのような選手もいます。


素人目には上記の選手たちのジャンプは回転不足をとるべき「Cheat Jump」に見えますが、

日本人選手と、フランク・キャロル氏の弟子とブライアン・オーサー氏の弟子のジャンプは、

ほとんど回転不足の判定を受けないのが不思議です。

何か特別な秘密があるのでしょうか……。


<Cheat Jumpの見分け方>


Cheat Jumpの見分け方、は、

ある意味とても簡単です。


フィギュアスケートをテレビで観戦する場合、


民放だったら、

八木沼純子・荒川静香・本田武史・佐野稔ら、

CS系(J-Sports)だったら、

杉田秀男

フィギュアスケート業界から呼ばれた解説者が、


「素晴らしいですね!」あるいは「綺麗でしたね~」

……と絶賛するジャンプは、9分9厘、「Cheat Jump」です*


*もしくは「Delayed Jump」の失敗ジャンプ(質のあまりよくないジャンプ)


ただし、

樋口豊だけは

「あがってから回る」ジャンプ(Delayed Jump)と

そうでないジャンプ(Cheat Jump)があることを知っていて、

それをそこそこ見分けているようです。


<Double-foot Salchow>


最後に、

最近とても気になっている「Double-foot Salchow」について。


左足のインサイドエッジに乗って踏切る「サルコウジャンプ(Salchow Jump)」

ですが、

よく見ていると、踏み切りの際「両足で跳びあがってないか?」 、という、

「Double-foot Salchow(両足サルコウ)」とでも呼びたいジャンプを使う選手がいます。


ハビエル・フェルナンデスのサルコウがその代表で、

羽生結弦やブライアン・ジュベールなどのもそう見えます。


あれ、反則ではないのでしょうか???


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PS:

今週末から、いよいよGPシリーズが開幕します。

荒川静香さん、

もし今期解説をする場合は、

数字の読み方をちゃんと勉強してきてくださるでしょうか。

基礎点「10.10」を「じゅってん、じゅう」と読んだのを聞いたときは衝撃でした。