「フィギュアスケートの採点<9>」の今回は
減点事項について、です。
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この「減点(Deductions)」というのは、
技術要素点のGOEでの減点とは全く関係なく、
ペナルティーとして、
総得点(TSS)からマイナスされてしまう点を指します。
☆転倒:1回ごとに減点-1
最初に書いたとおり、GOEとは無関係な減点なので、
例えば、
3Loジャンプを実行し転倒した場合、
3Lo(基礎点5.0)-3.00(GOE)=2.00
となった上に、減点(Deduction)-1となるので、
2.00-1(減点)=1.00
しか点が獲得できないことになります。
☆タイムオーバー:5秒ごとに減点-1
ショートプログラムは
男女共に2分50秒以内、
フリースケーティングは
男子が4分30秒(±10秒)以内
女子が4分(±10秒)以内
……とプログラムに使用できる時間に制限があります※。
この制限時間をオーバーした場合、減点が課せられます。
※使用曲の時間、ではなく、「選手が動ける時間」なので、
曲が2分50秒、4分10秒、4分40秒を多少オーバーする
のは減点対象ではないことに注意してください。
選手が動き始めてから、動作を停止するまでが
制限時間内におさまっていればOKなのです。
タイムオーバーで減点された選手は、
浅田真央選手(2007GPフランス大会)※
エヴァン・ライサチェク選手(2008GPアメリカ大会)
アリッサ・シズニー選手(2008GPロシア大会)
……などです。
※2006/07~2007/08シーズン
「特定有力選手の曲の再生速度が試合毎に違っていた」
という異常なことがあり、
浅田真央選手がタイムオーバーで減点されたのは
そのせいでした。
「特定有力選手の曲の再生速度が試合毎に違っていた」
件については、当ブログの以下の↓記事に書いてます。
http://ameblo.jp/vernalsunshine/entry-10325737305.html
興味がありましたら、こちらも読んでください。
☆演技の中断:1回ごとに減点-2
転倒したり、靴紐が解けたり、などの
選手の自己責任による演技の中断には、
減点-2が課せられます。
演技の中断で減点された選手は、
キーラ・コルピ選手(2009欧州選手権)
キャンディス・デディエ選手(2009世界選手権)
……などです。
転倒による怪我で演技を中断し、
応急処置後演技を再開した場合、
転倒による減点-1と、
演技中断の減点-2で
計-3点も減点されてしまうのは、ちょっと気の毒。
☆音楽の違反:減点-1
男女シングルでは、
プログラム用の音楽にヴォーカル入り※のものは使用できません。
男女シングルで
ヴォーカル入りの曲を使用した場合、減点されます。
※人の声を楽器のように使ったもの
(歌詞/言葉が入っていないもの)は、ギリギリOKのようです。
例えば
2005/06シーズンの
ジェフリー・バトル選手SP「Sing Sing Sing」や
ステファン・ランビエール選手SP「ドラリオン」、
2007/08シーズンの
村主章枝選手のFSの曲などは、減点されませんでした。
音楽の違反で減点された選手は、
ブライアン・ジュベール選手(2008世界選手権SP)
……などです。
ですが、
ブライアン・ジュベール選手の2007/08のSPは、
GPシリーズと欧州選手権では
音楽の違反とみなされなかったのにもかかわらず、
2008世界選手権(シーズン最終戦)でいきなり
「音楽違反で減点」と判定されたことが、
個人的には釈然としていません……。
(人の声が入っている曲だったのは確かですが)