フィギュアスケートの採点<9>~減点事項 | cf. about figure skating

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フィギュアスケートについて、
気づいたことや考えたこと&調べたことあれこれを書いていきたいと思います。そして、一日も早く、公平公正なジャッジがなされるように願っております。

「フィギュアスケートの採点<9>」の今回は

減点事項について、です。


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この「減点(Deductions)」というのは、

技術要素点のGOEでの減点とは全く関係なく、

ペナルティーとして、

総得点(TSS)からマイナスされてしまう点を指します。


転倒:1回ごとに減点-1

 

最初に書いたとおり、GOEとは無関係な減点なので、


例えば、

3Loジャンプを実行し転倒した場合、


3Lo(基礎点5.0)-3.00(GOE)=2.00


となった上に、減点(Deduction)-1となるので、


2.00-1(減点)=1.00


しか点が獲得できないことになります。


タイムオーバー:5秒ごとに減点-1


ショートプログラムは

男女共に2分50秒以内、


フリースケーティングは

男子が4分30秒(±10秒)以内

女子が4分(±10秒)以内


……とプログラムに使用できる時間に制限があります※。

この制限時間をオーバーした場合、減点が課せられます。


※使用曲の時間、ではなく、「選手が動ける時間」なので、

 曲が2分50秒、4分10秒、4分40秒を多少オーバーする

 のは減点対象ではないことに注意してください。

 選手が動き始めてから、動作を停止するまでが

 制限時間内におさまっていればOKなのです。


タイムオーバーで減点された選手は、


浅田真央選手(2007GPフランス大会)※

エヴァン・ライサチェク選手(2008GPアメリカ大会)

アリッサ・シズニー選手(2008GPロシア大会)


……などです。


※2006/07~2007/08シーズン

 「特定有力選手の曲の再生速度が試合毎に違っていた」

 という異常なことがあり、

 浅田真央選手がタイムオーバーで減点されたのは

 そのせいでした。


 「特定有力選手の曲の再生速度が試合毎に違っていた」

 件については、当ブログの以下の↓記事に書いてます。

http://ameblo.jp/vernalsunshine/entry-10325737305.html

 興味がありましたら、こちらも読んでください。


演技の中断:1回ごとに減点-2


転倒したり、靴紐が解けたり、などの

選手の自己責任による演技の中断には、

減点-2が課せられます。


演技の中断で減点された選手は、


キーラ・コルピ選手(2009欧州選手権)

キャンディス・デディエ選手(2009世界選手権)


……などです。


転倒による怪我で演技を中断し、

応急処置後演技を再開した場合、


転倒による減点-1と、

演技中断の減点-2で

計-3点も減点されてしまうのは、ちょっと気の毒。


音楽の違反:減点-1


男女シングルでは、

プログラム用の音楽にヴォーカル入り※のものは使用できません。


男女シングルで

ヴォーカル入りの曲を使用した場合、減点されます。


※人の声を楽器のように使ったもの

 (歌詞/言葉が入っていないもの)は、ギリギリOKのようです。

 

 例えば

 2005/06シーズンの

 ジェフリー・バトル選手SP「Sing Sing Sing」や

 ステファン・ランビエール選手SP「ドラリオン」、

 2007/08シーズンの

 村主章枝選手のFSの曲などは、減点されませんでした。


音楽の違反で減点された選手は、


ブライアン・ジュベール選手(2008世界選手権SP)


……などです。


ですが、

ブライアン・ジュベール選手の2007/08のSPは、

GPシリーズと欧州選手権では

音楽の違反とみなされなかったのにもかかわらず、

2008世界選手権(シーズン最終戦)でいきなり

「音楽違反で減点」と判定されたことが、

個人的には釈然としていません……。


(人の声が入っている曲だったのは確かですが)