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吸血鬼の女王「は?我々は吸血鬼ではない?どういうことだ」
あすか「キリスト教が入ってきた時、それまでの神話の神々、妖精などすべてが悪魔の手先にされてしまいましたね。ケルト神話の時代から、女王はいたんですよ。そして、その女神のひとりだったんです、あなたは。記憶を封じられているだけで」
あすか「あなたは月の女神です」
女王「なんと!」
あすか「キリスト教が入ってきた途端、呪いによって吸血鬼の女王に変えられましたが、ほんとうは女神だったんです」
女王「では…」
あすか「兄弟のギデオンの恋人でもあったそうです」
久美子「…」
女王「人のことは見えても、自分の事は気が付かないものだ。もし真実なら、これは吸血鬼の伝承にとって大打撃になる。信じたくはない」
女王「だが、吸血鬼よりは女神のほうが聞こえはいい。私を吸血鬼にした者は生きてはおらぬのか」
あすか「転生していると思われます」
女王「そうか。ならば確かめるすべはないな」
あすか「ですが女王、これはアヴァロン島のモーガン・ル・フェイから聞いたこと。五万年目前から存在する結城大和と藤村博士がそれを証明してくれたら、あるいは…。そして私は、あなたに聞きたいことがありました。『ダイヤ』という不死の存在はいつから存在するのか…」
女王「我々がどこから来たのか、誰も知らない。『ダイヤ』の存在も確認されたのは今世紀初頭だ。知るはずもない」
あすか「そうですか。20年以上前のことですね」
女王「年若いお前には20年は長かろう、だがわれらには一瞬のことだ。仲間たちは血を吸うことに明け暮れ、われらの歴史にも興味を持つものは少なかった」
あすか「ふむ」
女王「おそらく吸血鬼というのは鬼でも妖怪でもなく、血を糧としていた邪神のひとつだったのだろう。そうすると歴史はますます遠い昔になる。我々は歴史など興味ない」
久美子「では、このままでいいと?」
女王「われわれの仲間は、そうだ。だが私は興味ある」
女王「その不死の少年…『ダイヤ』か」
あすか「生まれながらの不老不死の存在だそうですが…単体で暮らし、仲間を持たぬそうです」
女王「なるほどな。ならば、ダイヤというのは人間と進化の課程で枝分かれしたのだな」
あすか「教授も似たようなことを言ってました」
女王「分かった。私も調べよう」
久美子「ありがとうございます。すばるという少女に心当たりは?」
女王「ない」
あすか「(久美子ちゃん、彼女が死んだ理由はここにあると思ってるのか)」
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ケルト神話は、その文献がほとんど残っておらず、アーサー王伝説にばかり資料が偏っていて、英雄クーフーリンの物語以外はあいまいです。
すばるちゃんが狙われたのは、「ダイヤ」であるフォン・ティ・ライを捕えるためと考えられます。彼女は不老不死の夢を叶えることができませんでいた。
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