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久美子「最近、あすかっちはアクセサリー好きだよね」
あすか「そう?」
久美子「ピアスとかヘアアクセサリーとか凝ってるじゃない」
あすか「ああ、真珠でまとめたの」
あすか「久美子ちゃんも、お祖母ちゃんからもらったルビーを提げてるよね、いつも」
久美子「そうね。でもそれはお祖母ちゃんからのものだからよ。アタシは普段からアクセに興味ないの。時々、お店のおじさんがパワーストーンを手首に巻き付けてるの見ると、信じてるのかなって思っちゃう」
あすか「磁気ネックレスってあったよね。あれと一緒で、パワーストーンはエネルギーを出してるんだよ。だから、週に2~3度つけるぐらいがいいんだ。それ以上だと強すぎて身体によくない。何事もほどほどに」
久美子「なるほどね。科学的根拠が全くないわけじゃないのね」
あすか「とはいえ、イワシの頭だよ。久美子ちゃんのルビーだって、私のサファイアだってパワーストーンの一種だよ」
久美子「ああ、そうなの。アンタ、あれ全然つけないのね」
あすか「つけてるの忘れて、服脱いだ時チェーンが切れて石をなくしたらイヤだから」
久美子「つけないほうがよほど石が可哀想だわ。そういえば、アタシとお揃いのデザインのほかに、単独でアンタ、もう1点、何か買ってなかった?買ってもらったの?」
あすか「ああ、本当に欲しいものは自分で買いたいほうなの」
オリバー「よっ、あすかっち。その真珠、本物?パワーストーンの話してんの?」
あすか「オリバーか。了くんに会ってたんだね。真珠は厄除けなんだよ。マイナスのことを考えるとそっちに引っ張られるから、そういうものからガードする作用があるんだ」
オリバー「誰かにもらったのか?」
あすか「自分で買った(※実際は頂き物です)」
オリバー「なんだ、貰い物じゃないなら、おれにくれよ」
あすか「お断りだ。真珠は女のお守りだ。婦人病とかを防いでくれるんだよ」
オリバー「なんだよ、今は多様性の…」
あすか「だまれ」
あすか「だいたい男ってのは、姉や妹にもらった大事なものを、簡単にガールフレンドにあげちゃったりするんだよな。このピアスも、今の彼女にくれてやるつもりだったんじゃないのか?」
オリバー「…おみそれしました。その通りだよ。あんた、すごい勘だな」
久美子「サイテー。オリバーは家に来てほしくないわ」
あすか「まったくだ」
オリバー「そんなこと言わないでくれよ。悪さはしねーからよ」
久美子「どうする?」
あすか「もうちょっと付き合ってやるか」
オリバー「メンズでいいのないの?」
あすか「あるよ。メンズならターコイズ(トルコ石)が無難だと思う」
あすか「ドリームキャッチャー。これなんかどうかな。石が多いから、その分値は張ると思うけど、オリバーんち太いだろ。この空色のがターコイズ」
オリバー「うひょーカッコいい。どういう効能があるの?」
久美子「効能って、温泉か漢方薬みたいに…」
あすか「悪い夢を捕まえて消してくれる、ネイティヴアメリカンのオジプワ族の伝統的なお守りだ。ターコイズを加えると空や水の精霊とのつながりが強くなる。癒しの護符だよ」
あすか「安いものなら300円ぐらいからあるよ。オリバーもメンズジュエリーデビューかな。パワーストーン扱ってる店を知ってるから、今からみんなで見に行かない?」
久美子「みんなで…ってアタシも?」
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と、いうわけで、オリバーくんは中野ブロードウェイに連れていかれました。了くんやツヨシくんはオリバーくんの初ジュエリーお買い上げの後押し役に駆り出されました。
翌日、オリバーくんは制服のワイシャツにドリームキャッチャーをぶら下げて登校してきました。「オリバー、どうしたんだお前」とクラスメイトは驚き、女子は陰でこっそり笑っていました。
そして、その晩から彼の見る夢が「富士山と鷹と茄子」級になったためか、クラス中の男子の間でパワーストーンが流行し、のちに「守護アイテム戦国時代」と呼ばれました。
ロンサムさんが二人を連れてってくれたカフェテリア。
お揃いのTシャツは水族館のお土産。
この話を書きかけた時、ふとアクセサリーボックスを開けたくなりました。そしたら、ずいぶん前にあすかっちに買ったサファイア(合成)がそこにありました。
ごく小さなもので、ずっと前になくして、いくら探しても出てこなかったので、とても嬉しかったです。石というものは、何かを呼ぶ力があるのでしょうか。
本日もお越しいただきありがとうございました。また来てね。











