あすかっちのもうひとつの前世の話 | 高峰明日香の明日はどっちだ!

高峰明日香の明日はどっちだ!

お人形劇場。永遠の時を生きる「ジルコニア」の少年少女たちの日常と夢と愛と悩みがドールによる劇場で石神井公園・池袋・新宿を舞台に繰り広げられます。闇深いです。コナン時空です。1/6ドール(ジェニー・リカ・バービー・六分の一男子図鑑等)注意:PG12

登場人物覚え書き | 高峰明日香の明日はどっちだ!

 

あすか「ねえ吸血鬼の女王、今日はどうしたの?」

女王「お前がクサっていると聞いて、前世を見てやろうと思ってきたんだよ」

あすか「へー、女王は前世見られるんだ、でも私、魂を2つ持っていて、片方は鳥だったんだよ。もうひとつのほうも見られる?」

女王「もちろんだ」

 

女王「お前の前世は生まれた時から、とても恵まれて、幸せな女の子だった。両親の仲が悪く、いつも母から父親の愚痴を聞かせられる以外は、大好きな本も買ってもらえ、たっぷり愛されて育った。きょうだいがいなかったので差別されることもなく、幼稚園ではうらやましがられたのだよ」

 

あすか「今と大して変わらないんだね」

女王「今生でのお前の母は教員だったが、前世では専業主婦だったため離婚できなかった。そのため両親の激しい喧嘩を見て育ち、空想の中へ逃げ込んだ。そして物語をたくさん書き続けた。お前は小学校ではたくさん友達ができたが、敵もたくさん作ってしまい、つらい6年間を送った。しかし相変わらず母からはたっぷりの愛情を受けた」

あすか「そこも今と変わらないね。でも、今生みたくおじいちゃんの介護をしたりしなかったぶん幸せだったのかな」

女王「中学でのお前は、先生からも可愛がられ、友達にも学力にも恵まれ、一生のうちでもっとも幸せな3年間を送った。物語を作るのを趣味とし、県内屈指の進学校に進学した」

 

女王「お前の初めての挫折は、高校1年の中間テストだった。国語以外は全くさえない成績だったことだ。どんなに頑張っても数学は伸びなかった。それからのお前は不平不満ばかりだった。おかしな友達に悩まされ、進路はどうしていいか分からず、1番の成績が諦めきれず、迷いまくった3年間を送った。17歳で、友人とのいざこざから寝込んでしまい、芸術系の大学へ進んだ。望んだ学校ではなかったが、そこではたくさんの友人ができ、いい作品もたくさん作れた。物語はこっそり書き続けたが、友人と遊ぶのに忙しくて投稿には至らなかった。」

 

女王「お前は大変恵まれていたのだよ、だが辛抱が足りなかった。そのうち寂しくなり、また寝込んでしまった。親はたいそうお前を心配したのだよ。お前が憎かったわけではない。それからのお前は怠け者になった。物語も書かなくなり、夜更かしをして贅沢を楽しんだ。昼夜逆転して父から怒られ続けるがやめられなかった」

あすか「うわー、情けないなー。働けばいいのに」

女王「もともと前世のお前は働くのに向いていない運命。おとなしく結婚して家事をやっていればよかったのに、PTAが嫌で独身のままでいた。どこまでもわがままな女だったのだよ」

あすか「信じられない。今の私ならPTAをネタに小説を書きまくってる」

女王「友人はみな結婚して疎遠になった。お前はインターネットに没頭した」

 

女王「インターネットで、お前は友達をたくさん作った。いい人たちばかりだった。だがお前は不平不満ばかりだった。カメハメハブログで物語を書くようになり、お前の承認欲求は満たされた。だがそんな生活がいつまでもつづくはずがない」

 

あすか「それ、ほんとにわたしの前世?迷惑かけまくりじゃん」

女王「苦労を避けてばかりいたうえ、プライドが高くわがままだったのだからしかたあるまい。死後、お前は天国でも地獄でもないところへ行った。神々は、せっかくの幸せを快楽で自らぶち壊した女だから来世はきょうだい児にして一生苦労させろとか、貧しい子供時代を送らせろとか、口々に次のお前の人生をおぞましいものにするよう言い立てた。

 

だが、神の一人が、『この女の夢は小説家になることだった。前世では星回りが悪く、友達と遊んでばかりの人生だったが、来世では夢を叶えてやろう。もっと生活能力をつけさせ、本当に必要な友達と人間らしい経験を積ませよう。本人の納得する人生を歩ませてやろう。しかし、なんの災いもなく幸せにするわけにはいかない。両親を心配させた罪を償うために、常に働き続ける運命を与えよう』と言った。神々はそれで納得した」

 

あすか「…うーん、色々大変だったけど、私、これまでいい人脈に恵まれてラッキーだったし、勉強も困ったことなかったし、趣味の料理も役立ってるし、事故が多いのはしょうがないけど、みんな優しいし手伝ってくれるよ?小説もバカ売れしてるし、ナマケモノの前世より幸せだと思うけどなあ。こんなに幸せでいいのかな?っていつも思うよ。ただ、パラレルワールドがらみで苦労するのは誰のアイデア?」

女王「そこまでは分からん」

 

あすか「私は前世で何でも持ってたのに、不平不満ばかりだったんだね。じゃあ、今生での多少の苦労はしかたないな。再婚で得た新しいお父さんがいい人で良かった」

女王「ちょっと頼りないが評判の良い病院の院長だから文句はあるまい。教員だったおかげで前のDV夫と離婚できた母上にも感謝するのだぞ」

 

あすか「そうだね。不満や不安は自分の心が作り出すものだね。どんな出来事も自分次第で変わるんだ。これも久美子ちゃんたちのおかげだよ」

女王「かれらは、お前が本当に欲しがっていたものだ。過去世でお前と似たような人生を送っていたからお前の家族になった。ただ、了には肉体を持った前世はない。いろいろと不思議な能力を持っているが、使命があって人間として生まれてきたらしい」

 

あすか「そうなんだ。女王さんすごいな、ありがと」

 

久美子「あら、吸血鬼の女王さん。あすかっち、アンタ面白い人脈だらけね」

あすか「あ、今、前世見てもらってたの。久美子ちゃんも見てもらわない?」

久美子「アタシは人生って一度きりだと思ってるから。興味はないわ」

女王「ご立派。その若さがうらやましいねえ」

 

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今回はちょっとスピリチュアルなお話です。現世でのあすかっちの苦労は、前世でのなまけ癖と傲慢さのせいでした。でも、現世で幸せだと言えるぐらいですから、前世のあすかっちにもいいところはあったのでしょう。もし極悪非道だったらこんな人生になりませんからね~。

私ですか?いろいろあるけど、現時点では幸せなんじゃないかと思いますよ。読んでくださるみなさんのおかげです。

 

 

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