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1か月後。
アインシュタイン先生「あれから1か月経ったね…藤村博士がきみの脳髄をきれいに修復してくれたけど…きみは目を開けて眠ったままだね」
アインシュタイン先生「きみにはぼくの声は聞こえているのかな?」
アインシュタイン先生「あれから、お母さん以外、家族は誰もぼくと口をきいてくれない。淋しいよ」
アインシュタイン先生「目覚めて笑ってくれないかい?きみの料理が食べたいな。君の小説の新作も読みたいな。きみの本、一度も読んだことないんだよ。忙しくてね。一番簡単な本は何だい?」
了くん「あすかっち…久美子ちゃんは舞台稽古に入ったよ。ツヨシも次のコンサートの準備をしてる。母さんは塾のボランティアを続けてる。おれは相変わらずだよ。介護施設の仕事をしながら、勉強を続けてる」
了くん「みんな、あすかっちを待ってるよ」
了くん「百ちゃんは、ねぎっちょさんのお店で預かってもらうことになったよ。みんな忙しいからね」
了くん「あすかっちの目が醒める日を待ってる。何十年でも待つよ」
藤村博士「そう長くかかりませんよ。脳神経を始め、切れた神経という神経はすべてつながりましたし、脳細胞も完全に再生しています。心配はいりません。運動機能も元に戻ります」
了くん「藤村博士…」
藤村博士「ただ、元通りの彼女かどうかまでは分かりません。ある程度は覚悟してください」
了くん「……どんなでもいいよ」
藤村博士「学校には病欠ということにしておきました。この件は徹底的に隠してあります。私もまた、彼女の小説は読みたいのでね。外に漏れるとイメージダウンですので」
了くん「希望を持っていいんですね」
藤村博士「ジルコニアの弱点である脳の、再生可能な薬ができましたからね。以前なら何十年でも眠ったままでしたが、ぼくの薬では脳細胞の再生を促進させることが可能です。もう目覚めてもいいころですよ」
2か月後(予告)。
了くん「あすかっち、新しい小説進んでる?」
了くん「こないだ出した新刊の『マザーハラスメント』、かなり売れてるらしいよ。ブログ小説のほうは難解すぎてそこそこってかんじみたいだけど、紙の本で売れるってのはほんとに貴重だから、よかったね」
藤村博士「どうですか?だいぶ元に戻ったでしょう?」
了くん「この家からほとんど出たがらないんです。あれじゃ運動不足になる。でも、料理は相変わらず作ってるし、小説も書き始めてます」
藤村博士「学校に行ってないそうですね」
了くん「ええ」
藤村博士「不自由なところはないですか?」
了くん「日常生活に特に支障はないです。パラレルワールドから知らない人が紛れ込んだりとかはけっこうありますけど」
藤村博士「それはうちでも起きてますよ。困りましたね。もう慣れてきましたが。でも、それは病院では専門外なのでぼくにはわかりません」
了くん「もう季節も変わってるので、外の景色とか楽しませてやりたいんですけど…」
藤村博士「そのうち、自分から見たくなりますよ」
了くん「彼女の実父が自分を連れ去りに来るという妄想が抜けないんで…」
藤村博士「それはほんとのことでしょ。でも、もうほんとのお父さん来ませんよ」
了くん「ええ」
藤村博士の声『彼女、今何を書いてるんですか?』
了くん「短編が中心ですが、医療ものです。あっけらかんと明るく書いてます」
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去年の7月25日にこのひとつ前の話を書きました。
脳細胞は再生しないと言われ続けていましたが、今世紀に入って再生することが判明しています。
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明日もまた来てね。



















