尊い平穏 | 高峰明日香の明日はどっちだ!

高峰明日香の明日はどっちだ!

お人形劇場。永遠の時を生きる「ジルコニア」の少年少女たちの日常と夢と愛と悩みがドールによる劇場で石神井公園・池袋・新宿を舞台に繰り広げられます。闇深いです。コナン時空です。1/6ドール(ジェニー・リカ・バービー・六分の一男子図鑑等)注意:PG12

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あすか(右)「久美子ちゃん、『鬼滅の刃』の本手放しちゃったの?なんで?あんなに好きだったのに」

久美子(左)「……だって、あそこで言われてる『鬼』って、アタシ達のことでしょう。読んでるうちつらくなったの」

 

あすか(右)「確かに私達は限りある存在じゃないけど、他人を襲って食べたりしないよ?」

久美子(左)「それでも、誰かに狙われるような生活はもうしたくないの。アタシはソプラノ歌手を心置きなくやりたいのよ」

 

あすか「今は私達じゃなくて、他のジルコニア達が黒戸製薬と戦ってくれてる。なにも心配ないよ」

 

久美子「アタシ達逃げてない?」

あすか「だって私は藤村博士の許可がでるまで戦えないし、お母さんが帰ってきたらお世話しなくちゃ。戦える人に任せていいんだよ。あの漫画みたくどっちが正しい戦いなんてないんだから」

 

あすか(右)「戦いはそれぞれの生存本能がさせるものだよ」

久美子(左)「アタシ恐いわ。今の平穏が夢で、いつか戦いに引き戻されるんじゃないかって」

あすか「大丈夫、誰も私達を襲ったりしない」

 

あすか(右)「でも、もしみんなに何かあったら、私は私なりに出来ることで戦うよ」

久美子(左)「やめて。アンタを失いたくない」

 

あすか(右)「そういうわけで、本なくなっちゃったの」

了くん(左)「仕方ないさ。久美子ちゃんの言ってることはもっともだ。あの本じゃ、おれ達の存在は否定されてるからな」

 

あすか「さて、了くんのご飯だよ」

了くん「うん」

 

了くん「いただきます」

あすか「どうぞ」

 

了くん(右)「どんぶり洗ってくる」

あすか(左)「うん」

 

久美子(右)「あすかっち、本貸してあげられなくて悪かったわね」

あすか(左)「いいんだ。私はあの漫画のお食事シーンが好きだっただけだよ」

 

あすか「架空の人達でも、みんなああやってご飯食べられたらいいなって。お茶出来たらいいなって思うよ」

 

久美子(右)「そうね」

あすか(左)「久美子ちゃん、私達いつまでも幸せでいよう」

 

了くん「平穏でいられるってありがたいことだよな」

 

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黒戸製薬との戦いから離れ、当たり前の日常に暮らすようになってから、あすかっち達は小さなことで悩んだり喧嘩したりしていました。でも、久美子ちゃんは時々、以前のことを思い出すのです。

平穏な生活の如何に尊いことか。

 

 

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