病院は火の車なの? | 高峰明日香の明日はどっちだ!

高峰明日香の明日はどっちだ!

お人形劇場。永遠の時を生きる「ジルコニア」の少年少女たちの日常と夢と愛と悩みがドールによる劇場で石神井公園・池袋・新宿を舞台に繰り広げられます。闇深いです。コナン時空です。1/6ドール(ジェニー・リカ・バービー・六分の一男子図鑑等)注意:PG12

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登場人物覚え書き | 高峰明日香の明日はどっちだ!

 

あすか「ねえお父さん、うちの病院ってゆとりあるほう?」

 

アインシュタイン先生「うーん、今、病院は何処も火の車だね。うちはスタッフが多いから人件費かかるし、材料も値上げしたね。うちのモットーは医療ミスを絶対しないことだから、救急指定ではあるけど患者を断ることもある。丁寧に診たいから……でも丁寧に診れば診るほど、お金は入らない。よその総合病院よりちょっとましなぐらいかなあ」

 

久美子「まあ、医療ミスしないなんて当たり前じゃない」

 

アインシュタイン先生「それがけっこうあるんだよ。だから手術件数の多い医者にやってもらうのが一番いいんだけど、中には不器用で、件数だけ多くて全員死なせちゃってるのもいるからね。うちではちょっとでも見込みのなさそうな外科医はすぐやめてもらってる。シビアだよ。若手が育たないってブーイングされることもあるけどね。

 

ぼくは総合診療医だけど他の指定医も兼ねてるから、ぼくが一番忙しい。藤村くんは脳神経外科と婦人科だけど、実際は全部出来る。スタッフのモチベーションのためにお金と休息時間は確保してるけど、よその病院じゃ医者は自己犠牲のカタマリだ」

 

あすか「それで患者さんからの評判がいいんだね。医師やナースがみんな親切だったよ」

 

アインシュタイン先生「その代わり、うちの病院はある程度お財布にゆとりのある患者さんしかいられない。普通は3ヶ月で転院するんだけど、それ以上かかりそうな人は一旦退院してもらってまた入院する。安心していられるようにね。あと、主治医もひとりじゃなくて、科ごとに診られる主治医を用意してる。寝間着のレンタルや食事、冷暖房完備、ホスピタリティは万全だ。

 

こうでもしないとうちも食べていけない。スタッフの懐はまずまずだけど、ぼくのポケットマネーはひどいもんだ。だからきみたちの学費をきみたちのお祖母さんに出してもらうことになってしまって」

 

あすか「お祖母ちゃんがそうしたいって言ってくれてるから、ありがたくいただくよ。うちはまだいいほうなんだね」

 

アインシュタイン先生「働き方改革とか言ってるけど、それじゃ病院はやっていけない。地方じゃ病院がどんどん都市部に移動しちゃってるよ。医者も田舎じゃ腕があがらないってんで都市の病院に勤務する。

 

だからぼくは時々、田舎の病院に呼ばれる。ぼくは体力と経験はタップリあるから、かなりのことが出来るけど、田舎は設備がないから、手術が必要となったら結局うちの病院に来てもらうことになる。一家総出で大移動だ。患者さんも大変。条件の悪い病院で頑張ってる人達は尊敬する」

 

アインシュタイン先生「アヴァロンのりんごを病院に持ち込んじゃいけないから、ぼくも葛藤したよ。一口で痛みが引くのに出来ない。歯がゆいよ。どうしても生かしておかなければいけない患者さんには藤村博士の薬を使う。恐ろしいことだ。ぼくは日ごとに自分の体力が若い頃に戻っていくのが分かるけど、永遠に休めない。どんなに働いても大して疲れない。みんなぼくや藤村くんの体力オバケぶりを見て、頑張ってくれるけど、みんなは普通の人間だ。だから僕らは罪深い。

 

ぼくは軽四輪に乗ってるけど、藤村くんはアルファロメオに乗ってるから、SNSに、藤村くんのほうが腕がいいんだろうなんて書かれたこともあるけど、藤村くんは古本屋開いたりしてけっこう遊んでる。長く生きすぎて人が不死身になることが気にならないみたいだ。ぼくはできるだけ患者さんを人間のままにしてあげたい」

 

アインシュタイン先生「さて、病院に戻らなくちゃね」

 

あすか「……医者ってあんまり美味しい商売じゃないのに、なんでみんな医学部目指せって言うんだろう。進学塾に騙されてないか?」

 

久美子「そうね。進学塾も講師を食べさせていかなきゃならないもんね。人件費が大変だわ。もちろん病院もね……でも、よそでは医師がたりないのよ」

 

あすか「看護師さんやスタッフがあんなに楽しそうに親切にしてくれていたのは、充分な人数とお給料と休息があったからなんだね。その分お父さんも私達もビンボーなんだけど……みんなやりがいのある仕事につけてるのがせめてもの救いだね」

 

久美子「そうよね。叔父様の病院ちょっと調べたけど、見事にスタッフ辞めないもの、前の前のパラレルワールドの病院と大違いだわ。この世界線上の叔父様の病院には安心してかかれるからアタシもありがたいわね。今まで当たり前だと思っていた医療が、今は日本のあちこちで崩れ始めているわ」

 

あすか「久美子ちゃん、私のお姉さんにならない?遺産の分け前減るなんてケチなこと言わないからさ」

 

久美子「アンタ、遺産なんてないわよ、叔父様も死なないってこと忘れてるでしょ。アタシはなんかあったとき借金肩代わりしたくないのよ」

 

あすか「ツヨシくん、お前、ピアニスト辞めて医学部受験しろ。世の中、医者が足りない」

ツヨシ「やだよ、あすかっちのお婿さんなんて!」

あすか「こっちだって願い下げだ。世の中に貢献しろ」

ツヨシ「ぼく、勉強キライ……」

 

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今度のパラレルワールドのアインシュタイン先生はけっこう忙しそう。お金に困っている患者さんを診てあげられたらいいのだけれど、東京の医療費は高いのです。

前の前のアインシュタイン医院より大きいのでスタッフもけっこう抱えて、病院経営なんて全然ラクじゃない。

 

相棒の藤村博士は副業をしていたり、あすかっちが出かけるパーティーについてきてくれたりしてけっこう余裕。

その分、アインシュタイン先生は働かなければなりません。医療スタッフからはその働きぶりを尊敬されているようですが、決して自分自身はお金持ちではありません。

 

患者にもスタッフにも厚いところですが、院長夫人を長期入院させられるほど院長一家は富豪ではありません。稼ぎ頭のあすかっちがお金を出せばいいのですが、いつまでも終わらない介護に出せるほどあすかっちも高額納税者ではありません。

 

かといって、ツヨシくんに音大付属辞めて

公立へ行けなんて言えませんし……。

 

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アインシュタイン先生が食べているぜんざいと豚汁は、

カミオムツさんの作品です。今年も活躍します。

本日もおこしいただきありがとうございました。

また明日も来てね。