黒戸閣下「……これが『アヴァロンのリンゴ』の力で不死者になった者達のリストか」
研究者A「はい『不死人組合』在籍者です。このうち未成年の被験者は今分かっているだけで四名です。かれらは”ジルコニア”と呼ばれています」
黒戸「未成年者はこれだけ?」
研究者A「これからさらに増えるものと思われます、閣下」
黒戸「ふむ……ジルコニアの子供たちか」
研究者B「製薬会社の手のものが暗殺を企てましたがいずれも失敗に終わっています。その際、リンゴを入手しましたが、成分と生物の不死化との因果関係がよく分かりません。今のところ、アンゲリーカ様にとってはただの美味しいリンゴです」
黒戸「美味しくとも不味くとも、効けばよいのだ」
黒戸「どんな病気やケガにも効くのではないのか?なぜ我が娘には効かぬ?」
研究者B「まだ判明していませんが、なぜかアンゲリーカ様には効果がないのです。アヴァロンのりんごを以てしても、アンゲリーカ様のお身体を元のようにすることが出来ません。残念ですが……」
黒戸「おお、可哀想なアンゲリーカ……なぜお前だけが……。アンゲリーカを救えるよう、なんとしてもアヴァロンのリンゴを改良するのだ!」
研究者B「ははっ!」
黒戸「たとえジルコニアの子供たちの血を一滴残らず搾り取ってでも……かならずパパの力でお前を助けてあげるよ……いとしいアンゲリーカ……」
研究者A「閣下、リンゴの産地がまだ判明しておりません。入手した種を元に同じリンゴを栽培することを提案します」
黒戸「うむ」
アンゲリーカ「パパ」
黒戸「アンゲリーカかい?」
アンゲリーカ「パパ、無茶をしないで。私、パパが心配なの」
黒戸「お前のためなら、どんな無茶でもするよ」
アンゲリーカ「私のために、たくさんの人を苦しめてしまうわ。パパ、悪いことはしないって約束して」
黒戸「お前のためにすることは、悪いことではないよ」
あすかっち宅。
あすか「アップルパイ焼けたよ!さあ、食べよう」
久美子「アップルパイ?何のリンゴ?」
あすか「ん?1個150円の普通の『ふじ』だよ?」
ツヨシ「アヴァロンのリンゴじゃないの?」
あすか「アレは1個250円するんだよ」
了くん「250円で買える永遠の命っていったい……」
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ようやく、あすかっち達のリンゴを狙っていた黒幕が顔を見せました。
ぷりうすさんに悪役のヘッドをいくつかいただいたので、その中で「パパ」が務まりそうなキャラクターを作ってみました。
ぷりうすさん、ありがとうございました♪
黒戸閣下(偽名)は溺愛する娘アンゲリーカのために、アヴァロンのリンゴを奪取し、その品種改良を命じ、アヴァロン島を探していますが上手くいきません。長いことあすかっち達に目をつけて、何度かその手の者が襲撃に来ていますが、いかんせん人手不足の波はここにも……。