あすか「もう7月かー。今年は早いなー」
久美子(左)「ねえ、またカメアリくんがその辺うろうろしてるのよ」
あすか(右)「いっちょ、もんでやるか」
あすか(左)「お前とは会うたび、昔から殴り合ってばかりだねー」
カメアリ(右)「てめぇがムカつくんだよ」
あすか(左)「お前、親が嫌いって言ってたけど、なんでだよ」
カメアリ(右)「オヤジはおれがいないと生きていけねーからよ。オヤジの酒の量はいつもおれが管理してんだ」
カメアリ「てめーにこんなこと分からねーだろ。オヤジはおれを離そうとしねーんだ」
あすか(左)「本当にキライだったら、見捨てて出ていくだろ。私も不満ないわけじゃないんだけど、愛情はあるからね」
カメアリ(右)「てめぇが不満とか言うな。ムカつく」
あすか「お父さんも離そうとしないし、お前も離れようとしないんだろう。離れたら今より不幸になるように思っているなら、今、自分で言ってるほど不満があるわけじゃない」
カメアリ「そんなこと分かんねーよ、おれ頭悪いから。だけどてめぇはムカつく」
カメアリ(右)「なんでてめぇなんかにこんな話しちまったんだろうな」
カメアリ(右)「帰る」
久美子「カメアリくんってお友達がいないんじゃない?」
あすか「そうなんだろうね。でも自分からああ言ったってことは、孤独にならないよう助けを求めてきたってことじゃないかな?まだ希望ありだよね」
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カメアリくんのお父さんはアルコールに溺れていて、家にいます。
カメアリくんはまだ就職できる年ではありませんし、アルバイトをしていません。でも、お父さんの管理をしています。