真夏ちゃんの重大な悩み | 高峰明日香の明日はどっちだ!

高峰明日香の明日はどっちだ!

1/6のSFホームドラマお人形劇場やってます。PCオススメ。
ジェニフレ・バービー・12インチフィギュア達で構成されてます。
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私が監督でドールは役者です。記事は予約投稿です。

真夏「あすかっち、ケガの後遺症なくてよかったわー」

あすか「まだ3ヶ月は分からないんだ。あちこちに変な風に伝わっちゃってるよ。こないだは近所の人から、マンホールに落ちたことにされてたよ」

 

真夏(左)「いつから学校へ戻れるの?」

あすか(右)「明日から行くよ。激しい運動は今できないんで、欲求不満になりそうだけど、家でお料理作りまくってストレス解消できるし。授業が楽しみだよ」

 

あすか(右)「でも真夏ちゃん、声がうわずってるね。お見舞いというより、何か悩み事があるんじゃない?」

真夏「!実は……もしかしたらに、に、に、に妊娠したかもしれないの」

 

あすか「そうなの?妊娠検査キットで調べた?」

真夏「そんなもの、わたしが近所で買えるはずないでしょう」

あすか「うちのお父さん総合診療医。相談しよう」

真夏「あすかっちの家族には、知られたくない」

あすか「このこと他に誰か知ってる?」

真夏「今のところ、あすかっちしか……」

 

あすか「分かった。口の固いお医者さん知ってる。この人も総合診療医。産婦人科の資格も持ってるから、相談に乗ってもらおう。万が一のことを考えての同意書と20万円は私が用意してあげる。中2なんだから妙な夢は見ないほうがいい。きみのお父さんにもお母さんにも内緒にするんだよ。今から電話かけるね」

 

あすか「さあ行こう。帰りに焼き鳥屋に寄ろう。鉄分豊富なレバーをいっぱい食べて元気つけようよ」

真夏「あすかっち?ちょっとノリが軽すぎない……?」

 

藤村博士「やあ、高峰さんから電話もらいました。うちは中絶薬を使うことが多いです。なんでかというと、掻爬術は大事な子宮に傷がついてしまうからです。9週目までなら薬を使えるので安心してください」

 

真夏「でも……罰が当たったりしないかしら」

藤村博士「当たりません。14歳の女の子に対して責任が取れるような男がまともにいるはずがありません。そんな男のDNAを残す義務なんてないんです」

 

藤村博士「海外には君より若くして母親になり、将来を奪われた貧困の中にいる女の子が沢山います。自分ひとりで全て背負ってそうなる必要はありません。きみはもっと勉強して、自分の未来を掴む権利があります」

 

藤村博士「もう君は産婦人科医になぜ、どうしてとしつこくイヤなことを聞かれたりしなくとも、お薬で30時間ほどで解決できちゃいます。本当は同意書など法的には必要ないはずなんです」

 

藤村博士「中絶薬は5万5000円で買えます。処置料としてさらに5万円かかりますので合計10万5000円です。20万円も要りません」

真夏「10万円でも高いけどホッとしました」

 

藤村博士「その前に、……これで妊娠の有無が分かります。確認しましょう」

真夏「……ハイ」

 

藤村博士「はい、陰性です。……つまり、妊娠していません。中絶の必要ないです。よかったですね。ホルモンのバランスが乱れてたのでしょう」

 

真夏「あすかっち~、ありがとう!」

あすか「よかったねー、真夏ちゃん」

 

藤村博士「検査だけですので、お代は1万円です」

真夏「あすかっち、もうわたし、結婚するまでは誰ともキスしたりしないわ」

あすか「はい?」

真夏「キスって恐いよねー、こんな思いするなんて」

 

あすか「もしかして真夏ちゃん、相手の人とキスしかしてないの?」

真夏「そうだけど……」

 

あすか「この情報化社会に、今どきキスだけで妊娠すると本気で思い込んでいる情報弱者がいるとは……つくづくおめでたいね!」

真夏「え?」

あすか「もういい、きみはきみのままでいていいよ。焼き鳥食べに行こう」

 

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あすかっち、いい面の皮でした。真夏ちゃんは好きな男の子とキスしかしていませんでした。その男の子とは今、連絡が取れないようですが。まずは20万円の予定が1万円でありました。責任の取れないことはするものではないのであります。だから、これでいいのでしょう。延々説明した博士も呆れておりますが。

この物語に医師は2人しかいないので藤村博士が産科を兼ねていますが、現実には産婦人科専門の先生の所へ行ったことでしょう。悪しからず。