この物語はフィクションです。
コブ「家を建てたばかりで、長男が産まれたってんで断れないだろうと、会社が海外転勤を命令してきました。でも、まだ命が惜しいので会社を辞めました」
了くん(左)「あるらしいですね、家を建てた途端に転勤って」
コブ(奥)「非英語圏で、2年っていうけど同僚も2年の予定がもう5年以上で、帰れる見通しもないらしいです。子供さんが立て続けに受験で一度も家族に会えてないそうですね。奥さんももう限界って、離婚を考えているとか」
了くん「コブさん、会社辞めて大丈夫なんですか?」
コブ「命のほうが大事ですよ。妻には2年ぐらい私が居なくても我慢できるって言われたんですが、何年になるか分からないし、あそこじゃスパイ容疑で拘束される恐れもありますから」
あすか「そんなところに支社を置くのもどうかと思うけどね」
コブ「支社を出したばかりの頃は、あの国もまだまともだったんですよ。最近急におかしくなってきて」
あすか「早く畳んでくれるといいですよね」
了くん「じゃあ今は、転職活動中なんですか」
コブ「ええ。今は売り手市場なので、なんとかなるとは思ってます。貯金もありますからね」
コブ「学生時代にあの国に留学したんで、少し言葉が話せるのがいけなかったんでしょうかね……?」
そしてコブが転職して間もなくー。
あすか「コブさんは、今度はベネズエラに転勤の話が来たって。海外転勤なしの職場なかったのかね」
了くん「南米も危険だからな。コブさんは危ない国にばかり海外転勤する宿命だったのかな。また会社辞めると思うか?」
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コブさんはツイてないですね。
キャリアと給料を落とすか、海外のとある国で命を落とすか、どっちにするか二者択一の人生だったらどっちがいいでしょうね。