久美子(左)「叔父様の病院に強盗がふたり現れたわ。不老不死の薬の原料がアヴァロンのリンゴだってことを知ってたそうよ」
あすか(右)「え?びっくり」
あすか「どういう奴らなんだろ?」
久美子「分からないけど、アタシ達アヴァロン島に避難した方がいいかしら?」
あすか「ワケの分からない人達に後をつけられるかもよ」
久美子「アヴァロン島って、アンタの知り合いの人に連絡を取らないと入れないんでしょ。あそこにいれば安全じゃない?」
あすか「そうだね。でも、緯度経度を知られるかもしれない。異世界に行くわけじゃないから、場所を突き止められたら危険だ。アヴァロンのリンゴを外に出しちゃいけない」
あすか「アメリカの製薬会社が、不老不死の薬なんて作られたら、会社が潰れてしまうから圧力をかけられてるようなことをお父さんが言ってた。アヴァロンのリンゴのことが知られたら、全力で排除にかかるだろうね。それに、もしかしたら独裁者の手に渡る可能性もある」
久美子(左)「そうよね。今度はこの家が狙われるかもよ」
あすか(右)「うん。一応地下シェルターはあるんだけど……武器がね……お母さんがだいぶ捨てちゃったから」
久美子「アタシにも武器の使い方教えてよ」
あすか「一朝一夕で身につくもんじゃないよ。変な飛び道具を使うより、逃げたほうがいい」
久美子「だって、どうやって対抗すればいいのよ」
あすか「久美子ちゃんには必殺の武器があるでしょ。自慢のソプラノで強盗の鼓膜を破っちゃえ」
久美子「非常事態に歌なんて歌えないわ」
あすか「誰も笑わないよ」
久美子「アタシが恥ずかしいのよ!」
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藤村博士の古本屋に続いて、アインシュタイン先生の病院にも不審者が現れました。徐々に近づいてくる怪しい人間達は、アメリカの製薬会社の手の者なのでしょうか?