ツヨシ(右)「あすかっち、何の映画観てるの?」
あすか(左)「バービー」
ツヨシ(右)「え?フェミ映画じゃん、やだよ、あすかっちはメイド服や可愛いエプロンが似合って料理がうまいあすかっちじゃなきゃ嫌だぁー」
あすか(左)「ベタベタ触んな、気色悪い。なんでお前にそんなこと言われなきゃなんないんだよ」
了くん(右)「何をやってるんだ?」
ツヨシ(中央)「了くん、あすかっちが『バービー』なんてクソフェミ映画観てるよ~、このままだとあすかっちぼく達にご飯を作ってくれなくなっちゃうよ~」
了くん「バービー?アメリカのリカちゃん人形か」
あすか(左)「同じスケールの人形だけど、ベクトルはだいぶ違う」
了くん(右)「日本とアメリカじゃ違うってよ。あすかっちが料理やめるわけないじゃん」
ツヨシ(左)「あすかっちは普段、リカちゃんじゃなくてバービーで遊んでるよ!」
了くん「知らんけど」
あすか(左)「馬鹿にすんなよ。私は飯炊きおばさんじゃない」
ツヨシ(中央)「ほら、もう、そんなこと言ってるし」
了くん(右)「あすかっちが料理してない時はオレが作ってるだろ」
あすか「ツヨシくん料理ナメてんじゃないよ。食べるの大好きなら自分の好きな味ぐらい自分で出せないとね。言っておくけど私は趣味でやってんだからね」
了くん(奥)「ツヨシ、お前も簡単な家事できるようになれよ」
ツヨシ(手前)「あー、了くんまでそんなこと言って」
了くん「あすかっちがどんな映画観ようがお前に関係ないだろ?」
ツヨシ「『バービー』はあすかっちにも久美子ちゃんにも観てほしくない」
了くん「そういう勝手なことを言うなよ、中学生にもなって」
ツヨシ「了くんだってこの映画は不愉快になるよ」
あすか(左)「『バービー』はただの風刺映画だよ。これを観たら私が何か変わるとかそう思ってんの?女子のこと何も分からないのに、ツヨシくん変な危機意識を持つなよ」
ツヨシ(右)「危機意識なんて持ってないけど、分かりたくない!分かったら負け」
了くん(右奥)「ツヨシ危機意識の塊じゃないか」
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映画「バービー」は完璧な着せ替え人形・バービーがある日不安に襲われ、原因は自分の持ち主の気持ちにあるのではないかと考えて人間界を旅するという不思議なお話ですが、ものすごいヒットを飛ばしたにも関わらず、アカデミー賞は獲れませんでした。
まあ、世の男性が不愉快に感じる映画だったのか……小学生や中学生の男子が見ても不快だったという感想があったところから、これは女性もしくは女性に理解のあるそれ以外が観て感想を述べ合う秘密の映画なのかもしれませんね。
かつてバービー人形は今よりグラマラスで、常にハイヒールを履き、世のフェミニスト女性から「女子の自然な成長を妨げる、こびを売る女」と石を投げられるセクシーな存在でした。それが、今は貧乳でぺたんこ靴の、あまりオシャレでないフェミニストの先鋒のような存在に変わり、「少々やりすぎじゃない?」。スレンダーで関節が曲がるようになったことは大歓迎ですが、バービーはオシャレで美人だったのに。
もしも今後バービーがムキムキマッチョになってしまったら、あすかっちはバービーじゃなくてリカちゃんに鞍替えしてしまうかもしれません。だってリカちゃんは可愛いままでも最強だから。