ああインド | 高峰明日香の明日はどっちだ!

高峰明日香の明日はどっちだ!

オリジナルSFホームドラマ。永遠の時を生きる「ジルコニア」の少年少女たちの日常と夢と性と悩みがドールによる劇場で石神井公園・池袋・新宿を舞台に繰り広げられます。闇深いです。コナン時空です。1/6ドール(ジェニー・バービー・六分の一男子図鑑など)

久美子(右)「インドに行ったら人生変わるって言うんだけど、どうなのかしら、インド人になっちゃうかしら」

あすか(左)「私はそこまでガラッと変わるとは思わないな。別にインド人にはなりたいと思わない」

 

ツヨシ「インドをイギリスから独立させたガンジーはすごいよね」

久美子「あの意志の強さには感服するわ」

 

あすか(右)「ガンジーはそこそこいい家のボンボンだったから、インド人が信じるヒンドゥー教のカースト制度を廃止できなかったんだよ。そこ甘いよね。だから私はあんまり好きじゃない」

了くん(左)「ああ、うん。インドのカーストって職業カーストだから、職業を言うと身分が分かっちゃうんだよな。逆に生まれたときから職業が決まってるから、就活やなりたいものとかで悩まなくていいからラクだって奴もいるけどな。ただインドのIT産業がこんなに発展したのは、今までにない職業だったから誰でもなれるからなんだよな」

 

了くん「なにしろ上位カーストの人間は、下位カーストの人間に何をしても処罰されないからやりたい放題だし。それが嫌で仏教に改宗する人間もいるけど、インド人は生まれた時からヒンドゥー教だって言って親戚が出てきて、無理矢理ヒンドゥー教に戻すこともあるってな。連中は低い身分でいることよりカーストの外に出ることを恐れるんだ」

 

あすか「異教徒や外国人はカースト外の人間だからね。ヒンドゥー教は民族宗教なんだ。カーストの中で生まれ変わり続けると信じてる。革職人や清掃人、洗濯人はダリットといってカーストの中にも入れてもらえない最下層で不可蝕賎民として扱われるけど、良い生き方をすれば上位カーストに生まれ変われると教わるんだよね」

 

あすか(左)「でも、本当はカースト制度って17世紀頃にはなくなっていたんだよね。イギリスがインドを支配し始めて、インドがイギリスに不満を持ったとき団結しないように今のカースト制を再導入して階級間対立を煽ったんだ」

久美子(右)「イギリスって第2次世界大戦中も、ユダヤ人に、パレスチナにユダヤ人だけの国を作っていいって約束したわよね」

あすか「そうだよ。同じ約束をパレスチナにもして、そっちは反故にしたんだ。それで出来たユダヤ人の国がイスラエル」

 

久美子「なんかあっちこっちの国でイギリスって、悪いことしてない?今の世界の争いの種ってイギリスが撒いたのね」

あすか「そうだね。イギリスが各地を支配しやすいようにやったことがあちこちで今問題になってるね」

 

久美子(右)「なんだかがっかりだわ。紅茶と紳士の国だと思っていたのに」

あすか(中央)「植民地を失ってからのイギリスはエリザベス女王の国としてわりと魅力的だったけどね」

了くん(左)「まだ北アイルランドの問題が完全に片付いたわけでもないんだろうけどな。久美子ちゃんアイルランドのルーツも持ってるだろ?」

久美子「あいにくアタシそっちのほうは詳しくないのよ」

 

ツヨシ(右)「でも、ガンジーを生んだインドってやっぱりすごいと思う」

久美子(左)「アンタ何聞いてたのよ」

 

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支配者イギリスが支配をしやすくするため勝手に復活させた身分制度のせいで、独立した今も多くのインド人が苦しんでいるわけで、身分制度を残したガンジーを手放しで褒めることはちょっと出来ないんですね。インドにはインドの事情があると言っても、あまりインドには生まれたくないというのが正直なところです。インドにちょっと行ったぐらいで人生がいいほうに変わるとは、期待しないですね。観光地として楽しむ程度ならいいですけど。