真夏「薫ちゃんの読書感想文、AIで作ったものだったのよ」
あすか「あっ、そうなんだ」
あすか(左)「それで真夏ちゃん、さっきキレてたんだね」
真夏(右)「ちょっとね。わたし、ああいうのは許せないのよ。だって薫ちゃんの作品がコンクールに出品されちゃったんだもの」
あすか(左)「AIの文章をコンクールに出したって、金賞が獲れるとは限らないよ」
真夏(右)「でも、あすかっちの感想文の方がよかったわ」
あすか「私はあまり中学生らしい感想は書けないんだよ。審査員が求めているのは上手い文章じゃなくて、学生らしい素直な感性なんだ。中学生がAIに文章を書かせる時は、学生らしさもデータにインプットするらしいね」
真夏「それにしたって狡いわ。薫ちゃん国語の成績悪くないのに、作文自信なかったのかな――」
あすか(左)「薫ちゃんの、AI使ってない文章は結構うまいよね。AIは校正に使ったんじゃない?」
真夏(右)「今回の感想文はいつもの薫ちゃんの書き方じゃなくて、機械的だったし、本の好みも薫ちゃんらしくない」
あすか(左)「ずいぶん薫ちゃんのこと見てるんだね」
真夏(右)「……そうね」
百鬼丸「(真夏ちゃんは他人が気になってしょうがないんですね)」
久美子「AIなんてうちのクラスの2/3の生徒は使ってるわよ。アタシも文章書いたあと、文の体裁整えるために使うことあるもの」
あすか「だよねぇ」
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結局、真夏ちゃんの、薫ちゃんに対する疑惑は本当のことだったのか、疑惑は疑惑でしかないのか、その辺は分かりませんでした。AIは使い方によっては労力を省略する良いものになるので、一概に排除するものでもありません。もちろん宿題はその人の実力を確かめるものであって、見栄を張る必要はないんですけどね。自分の作品は、第一稿くらい自分で書きましょう。