夢の行方 | 高峰明日香の明日はどっちだ!

高峰明日香の明日はどっちだ!

1/6のロー・ファンタジーお人形劇場やってます。PCオススメ。
ジェニフレ・バービー・12インチフィギュア達で構成されてます。
読む前にプロフィール欄に目を通してください。
私が監督でドールは役者です。記事は予約投稿です。

大鐘さん「以前この辺に住んでたご一家の娘さん、獣医学部に入ったんだけど、同級生の男性に仲間はずれにされたらしいのよ。朝は早いし、力仕事だし、動物はいうこと聞いてくれないし、みんな協力的でなくて……」

 

あすか(右)「はあ、大変なんですねぇ」

大鐘さん(左)「今年28歳になったらしいわよ。博士号も取れないまま、ずっと学生やってるんですって。将来どうするつもりなのか……」

あすか「同級生の人はとっくに卒業しちゃったんでしょう」

 

大鐘さん「そうね。その男性達がいなくなっても、その時の心の傷はずっと癒やされないままみたいなのよ。国家試験も受けず研究のほうに進んじゃって。どうして獣医や公務員にならなかったかが疑問ね」

 

大鐘さん「ちいさな身体で大動物を扱おうなんて無理なのですよ。高い学費を払って入った大学といっても、高望みしすぎたんだわ。もう卒業出来ないでしょうから、お嫁に出したほうがいいと思うんだけど」

 

あすか「その人が研究をしたいというのであれば、続けさせてあげたらいいんじゃないですか?」

 

大鐘さん「そんなワガママをさせておくから、こんなことになったんですよ。せっかく獣医学部に入っても、獣医にならないで、選んだ研究もうまくいかなくて、どっちつかずじゃない。何のヴィジョンも見えないまま勉強だけしても、しかたないでしょうにね。若いうちにいい人を見つけて落ちついたらいいのよ。いくら男嫌いになってしまったからといって……」

 

あすか「いったん異性恐怖に陥るとそれも難しいんですよ。結婚ってそんなに簡単なことじゃないでしょう」

 

大鐘さん「女にとっては簡単よ。大変だったけど迷うことがないもの。家事とパートタイムと育児と介護が一人でこなせればいいのよ」

あすか「今の世の中じゃ一人では無理だと思いますけど」

大鐘さん「それは要領が悪いのよ。私はひとりで何年も食べず眠らずこなしたわ。学はないけど、主婦としてはやれることは全部やりましたよ。息子はちゃんと大学出て就職して独立しました」

 

大鐘さん「女に学問なんて要らないって言っても、イマドキの人は何を夢見てるんだか。大学院なんて行ったところで潰されるだけですよ」

あすか「これからは男女普通に研究が出来るといいですよね」

大鐘さん「女には研究なんてできっこないのよ。あすかちゃんも取り返しがつかなくなる前に結婚しなさいね」

 

大鐘さん(右)「くだらないことに若さを無駄づかいするんじゃありませんよ」

 

了くん(右)「今のおばさん誰?」

あすか(左)「昭和の遺物」

 

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どっちつかずになることって結構あるんですよ。

町内一のおしゃべり奥さんの大鐘さんが、久しぶりに帰ってきました。昔は「感じ悪いおばさん」でしたが、世の中には上手く行かない人というのはいるんだなと思うと、適当なところで自分を諦めるということも必要になるのかもしれません。