久美子ちゃんの声「あすかっち、なに読んでるの?」
あすか「『みすゞと雅輔』って本。金子みすゞって詩人聞いたことあるよね?雅輔ってのは弟。弟の目から見た金子みすゞと弟自身の物語だよ」
久美子ちゃんの声「実在の人物なの?」
あすか「そう。彼女、大正時代末期から昭和初期まで童謡詩人として活躍してたの。この頃は児童向けの詩の雑誌に投稿してたんだけど、当時女性の詩人なんてあり得なかった中、西條八十の目に留ってね。男性詩人達と壮絶なトップ争いをしたんだ。でも彼女の詩集が出版されることは生涯なかった。彼女が亡くなってから50年ぐらいしてから原稿その他が発見されて、エライ人が一所懸命まとめて世に出て、はじめて評価されたんだ」
久美子「女性の地位って今でも低いわよね」
あすか「今なら女性の詩人いるけど。童謡詩人って当時子供向けジャンルで、不況と世相で雑誌潰れたから、金子みすゞは作品発表する媒体を失ったんだよ。あれはあの時代だけの高尚な児童雑誌の肩書きだったんだけどな」
久美子「で、中学生作家のアンタとしては金子みすゞの詩、どう感じた?」
あすか「作者である松本侑子さんの深い洞察力によって解説されてなければ、ただ読んだだけじゃ分からなかったと思う。すごく論理的に分析してあるから、あー、これはこう読むんだなとなるほどなるほどなんだけど……」
あすか「ただ、この本書いた松本さんの文章がすごくうまくて、物語としてはオススメ作品なんだよ。もともと金子みすゞの詩が深く理解出来なくても、この本を読むと素晴らしいものに感じられるんだ。金子みすゞは作品発表する場を失って自ら雑誌を立ち上げようとかする人じゃなかったから……彼女の悲劇は、そのたぐいまれな才能とはつり合わないおとなしい性格にあると思ったよ。面白いから久美子ちゃんも読んでみない?」
久美子「……だったら電子書籍じゃなくて、紙の本で買ってほしかったわね。アンタのPC、アンタしか読めないじゃない。網膜の模様一致しないと見られないようにしたでしょ」
あすか「あ……そうだった。ごめん」
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そういう時は紙のほうもお買いなさいな。
参考文献↓私の大好きな「赤毛のアン」シリーズを日本初の完訳に向けて執筆中の松本侑子先生が、わずか26歳で夭折した悲劇の童謡詩人・金子みすゞとその弟の人生を描いた珠玉の名作です。
みすゞの没後50年過ぎているので正式な著作権はないのですが、作品管理している「金子みすゞ著作保存会」というところに許可を取らないと写真や詩の引用は出来ないため、どんな詩かはここには掲載出来ません。悪しからず。




