仏に逢うては仏を…どーして小僧 | 高峰明日香の明日はどっちだ!

高峰明日香の明日はどっちだ!

SFホームドラマ。永遠の時を生きる「ジルコニア」の少年少女たちの日常と夢と性と悩みがドールによる劇場で石神井公園・池袋・新宿を舞台に繰り広げられます。闇深いです。記事は予約投稿です。

これは予約投稿です。

マクレーン「有名な名言のなかにある『仏に逢うては仏を殺し』が知りたいって……それは禅寺の臨済宗の臨済の言葉だ。俺は禅宗じゃねえぞ。なんでそんなこと聞きたがるんだ」

 

了「どうして尊敬するものを殺すのか分からないからです」

マクレーン「『仏に逢うては仏を殺し、祖に逢うては祖を殺し、羅漢に逢うては羅漢を殺し、父母に逢うては父母を殺し、親眷に逢うては親眷を殺し、初めて解脱を得ん』という言葉がもとだ」

了「長くて覚えきれません」

マクレーン「当たり前だ、オレはもともと不真面目な山伏だ。今言ったのだってカンペなんだぜ」

 

マクレーン「いいか、尊敬するもの、血がつながってるもの、大切なものを全て殺す勢いで心で滅し、執着するなよ。それで自由になれたら、お前はそれでいいんだろう?ひとりや二人の人間に執着するな。その先は仏に通じていることを知れ」

 

了「あ、ウチに犬いますけど、そんなことできません」

マクレーン「もののたとえだ。実際に殺すわけじゃない」

 

マクレーン「殺すっというその言葉そのものが恐いか?お前、ふれあい動物園で、豚を可愛がったことあるだろ。あのあと平気で焼き肉食べてたろ。牛の出産シーンをビデオで観て感動して泣いたろ。そのあと堂々とステーキ食べてたろ。俺達は生き物なんだからそういうもんだ。それにお前の飯の種だって殺生だろ」

了「だってオレクローンだし、ふれあい動物広場の豚は人に懐くようしつけられたペットだし、食用豚は家畜でしょう。ペットと家畜は違う家畜ならどうでもいいじゃないですか。殺生は仕事ですし」

マクレーン「"喝"!って何だか知ってるか?禅寺の指導者は弟子が見当はずれのところにいるとそう言って頭をぴしゃりと叩くそうだが、これもオレの専門じゃない。教えられてないからオレだってホントのことは知らねぇよ。こういうことは自分で調べろ。オレはお前がどこまで正しくどこまで間違ってるか、そこまでは知らねぇ。だがお前は人間なんだよ。これだけは確かなことだ」

了「オレは人間?」

マクレーン「そうだ。クローンも人間だ。お前は人間だ!そうだろ!」

了「……ありがとう、マクレーン」

 

マクレーン「今一度問う、犬を食う国もあるが、お前はこの愛玩犬の百ちゃんやビーちゃんを食えるか?」

了「で、できません」

マクレーン「だよな。食糧危機でも来なきゃ愛犬食う発想はねえよな。この意味分かんねーこと克服出来てたら悟りがむこうからやってくるかもしれないがな。残念ながらオレにも分からないんだよ、そこまではな。だが犬食えって意味じゃねーから誤解すんなよ。仏教は牛や豚は家畜だが犬、猫、猿はそうじゃないから食っちゃいけねえの。その辺も線を引けよ。家畜は一応納得してくれてんの」

 

了(右)「結局、悟りってズバリなんなんでしょう」

マクレーン(左)「だから何度言わせるんだよ、オレは教えられたことを伝えるだけなの。だからオレにはまだ言葉ではお前に説明出来ねーよ。いつか自分で体現してみろよ。ま、知りたければいつかちゃんとした禅僧に聞くんだな。でも禅は言葉では言い表せないものだし、言葉にすると怒られるともあるが禅僧でないオレからは言えない。そこまで教えられてないオレが知ったかぶりして喋るのは誠実なことじゃないんだよ」

了「でもマクレーンはお坊さんでしょ。どうして知らないの?」

マクレーン「まったく知らねぇわけじゃなくても、宗派や解釈によって色々違うんだよ。あ、だからといって一般人の間違った解釈に絶対惑わされるんじゃねぇぞ。あと、うちは大乗仏教だし、禅宗は小乗(上座部)仏教だ。この違いはもうお前には分かるな?小乗仏教は一人で考えるものだ。だがうちは衆生を救う大乗仏教なんだよ。その辺も考えてくれな。いいな?お前にはまだまだ詳しいことは難しいんだよ。そしてオレもまだまだ教えられていないことは伝えられない、一介の僧侶なんだ。僧侶の役割はそれだけだ。偉そーにしてても、そんなもんだよ」

了「……うん、でもさ」

 

百鬼丸(左)「(ビーちゃん先輩、ぼくたち食べられちゃうんでしょうか。そしたらそうなるんでしょう)」

ビーちゃん(右)「(ぼくの経験では、そのまま元通りの姿で出てくるワン)」

百鬼丸「(え?マジ?えんがちょっ)」

 

マクレーン「了、とにかく俺は禅僧じゃねーの。「仏に逢うては」の言葉はいろんな本で色々言われている。それ読め。俺は習ったことは知ってる、習ってねーことは知らねーって何度言わせれば分かるんだ、このどーして小僧?」

 

============================

どーして小僧の了くん。物珍しい世の中を手っ取り早く知りたくてたまりません。

お坊さんは宗派超えて何でも知っていると思っているようです。

マクレーンもマジメに修行はしたものの、他のお坊さんに比べて錫杖でチャンチャンバラバラしているほうが多かったのでしょうか。

私もまた、何も知らない者です。何も知らない者だから、習っていないことは習っていないと言うしかありません。

 

<禁・無断複製転載>

このエピソードは「レイちゃんと共に」のユウト01さんに色々教えていただきました。ユウトさん、ありがとうございました。

読んでくださった皆さん、お疲れ様でした、そしてありがとうございました。

 

にほんブログ村 漫画ブログ オリジナル漫画へ
にほんブログ村

 

にほんブログ村 コレクションブログ リカちゃんへ
にほんブログ村

 

にほんブログ村 コレクションブログ ジェニーちゃんへ
にほんブログ村