この物語はフィクションです。
編集部のナタリーさん「『知る人ぞ知る鬼才の初エッセイ』って帯になったからね。書き終わった?」
あすか「いつまでも『鬼才』かあ。天才って呼ばれてみたいな。ま、中野ブロードウェイの『タコシェ』がまだあったら間違いなく置かれてた本だよねー、私のって。自分で言うのもなんだけど。書けた」
あすか「どう?」
ナタリーさん「えーっと……」
ナタリーさん「……いつもより分かりやすいわ。に、しても『自家中毒だったあなたへ』ってタイトル微妙ねえ……なんか、メンヘラ系な印象なんだけど」
あすか「小児性嘔吐症のことだよ」
ナタリーさん「知ってるわよ。かなりひどかったんだってね。今でも匂いの強い香料や洗剤ダメで、思い出しただけで吐けるって聞いたから、アタシもアンタと会うときは香水つけないようにしてるんだけど」
ナタリーさん「ところで、アンタの固定ファンはアンタの本を手放さないから、ブックオフに来ない本ってことで知られてるのよ。天才と言われた人たちの本はブックオフにすぐ入る。感想のファンレターに『古本屋で買いました』と書かれてると作者、がっかりするものよ。アンタの作品はニッチな層にウケがいいから、全部買ってますみたいな感想送られてくるでしょ」
ナタリーさん「そういう読者に恵まれてるアンタをうらやましがってる天才もいるってこと、忘れないでほしいね」
あすか「そう。でもいつ依頼が来なくなるか恐いんだけど」
ナタリーさん「少しずつ読者も増えてるし、こんな感じで頑張ってね」
そして。
あすか「やったー!増刷かかった!」
ナタリーさん「とうとうブックオフで見かけたわ、アンタのエッセイ。定価で売ってたけど……。売れるってそういうことよね」
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初エッセイは増版かかっても、デビューから追いかけてきたファンは不満だったようですね。
でも、「私もそういうタイプでした!」「自家中毒で幼稚園通えませんでした。通いきったあすかっちソンケーします」「娘が自家中毒です。これ読んでうちだけではないと分かりました。ムリさせないことに決めました」など、肯定的な感想も数多く送られてきて、読者は増えました。
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