あすか(右)「キラりん、猛勉強中なんだってね」
キラりん(左)「ええ、聖マリアンナ医科大の対応は許せないもの。どこの大学でも男子は加点して女子は減点してるわよ。でも全く不正を認めないのよ。6万円払って無駄な時間を使った受験生が気の毒だわ」
あすか「最初から男子校って決めてればね」
キラりん「ほんとよね」
キラりん「だから、フルールの内部進学で医学部に行けるよう、一所懸命勉強するわ」
あすか「キラりんなら大丈夫だよ」
キラりん「そのあとのこともあるけど。『女医にかかりたくない』って患者」
あすか「ああ、そうだねえ。うちの母も『女医には診てもらいたくない』って言ってるし、そういう人多いよね」
キラりん「現実には小児科医や産婦人科医や麻酔科医に女医がほしいって現場では言ってるのに、大学側が頑固なのよ」
キラりん(左)「おかしいでしょう?外科も、本当なら男子も出来ればやりたくないんですって。でも女子が皮膚科と眼科以外やりたがらないからって」
あすか(右)「そうだね」
あすか「何かあった時の産科の賠償って何千万だもんね。だから分娩しないって産婦人科多いもんね」
あすか「ま、今はそのこと考えなくていいんじゃない?」
ノンコ「外科に女医?とんでもない、女医にやってもらいたくないわ。それにあすかちゃん、高校は早稲田本庄に行くんでしょ。早稲田は医学部ないのになんでそんなこと言うの、関係ないでしょ」
あすか「いや、キラりんの問題。産婦人科は女性のほうがいいと思うんだけど」
ノンコ「見立ては女医さんがいいけど、帝王切開は男性医師がいいわ」
あすか「なんでそんなに女医がいやなの」
ノンコ「女の人は先天的に不器用なのよ。こないだ腰が痛くて注射打ってきたんだけど。いつもの男の先生は上手なのに、女の先生の時はすごく痛かったわ。麻酔も女の先生のほうがヘタよ。お母さん、あすかちゃんより長く生きてるからそういうことは体験でよく知ってるの。産婦人科・小児科もね、子供って五体満足で生まれてくるとは限らないの。だから、その時責任取れる?だからなり手がいなくなったの。昔はお産で死ぬのも小さいうちに死ぬのも当たり前だったのよ。なのに妊婦やちいさな子供の親はリスクを分かってない。だからいちいち訴訟を起こすのよ」
ノンコ「この話はもうおしまい。疲れてるから寝かせて。杉下さんは内部進学出来るからそんなこと悩まなくていいの。男は何度失敗してもクビにならないけど、女の医者は1度の失敗ですぐ転勤になると思うわ」
アルフレッド「モーツァルトの時代には女性に作曲は出来ないと言われていましたが、現代では女性アーティストが大活躍しています。そのうち女医も増えますよ」
あすか「いや、これは私じゃなくてキラりんの話だから」
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私は小さい時、近所に小児科が女医のやってる診療所しかなかったのでそこに通ったのですが、そのお婆さん先生の化粧品の匂いがきつくて、行くたび吐きました。そうするとお尻に痛い注射を打たれるのです。母は化粧品の匂いのことを決して言ってはいけないと体裁優先だったため、よけいつらかったです。
これは差別じゃなくて、適正の問題です。ただし、「婦人科」は女医がいいです。これも適正の問題です。
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