あすか「うわっ、なにこれ、鉄の鍋?」
ねぎっちょ「茶釜よ。古天明平蜘蛛っていうの」
ねぎっちょ「松永久秀って戦国時代の武将が愛用してたのよ。信長に仕えてたんだけど、2度謀反を起こしてる人。茶釜の作者は分かっていないんだけど、久秀がすっごく大事にしてたの」
あすか「聞いたことない…」
ねぎっちょ「まあ、マニアックといえばマニアックね」
ねぎっちょ「久秀は信長に、平蜘蛛を献上すれば命は助けてやるって言われてたんだけど、拒否して城に攻め込まれてね。信長に取られるぐらいならと城内でたたき壊したとも、中に爆薬を詰めて自爆したとも、友人にこっそりあげちゃったとも言われているわ。のちの城跡で発掘されて復元されて、静岡の博物館に収まってるのが本物とされてるけど」
あすか「じゃ、これレプリカ?」
ねぎっちょ「それは分からないの」
あすか「えー!なんでねぎっちょそんなもの持ってるの?」
ねぎっちょ「占い師やってるといろんなもの持ち込まれることあるのよ。私は鑑定なんて出来ないのにね。で、コレクションになっちゃった」
あすか「それにしても久秀って人、バカだね、こんな茶器で命を落とすなんて。茶釜だって信長に大事にされた方がよかったのに」
ねぎっちょ「あすかっちだって、命に換えても譲れない宝物いっぱいあるでしょ。久秀にとってはこの茶釜がとても大事なものだったのよ」
ねぎっちょ「でさー、まだ、うちの物置ガラクタでいっぱいで、断捨離したいんだけど、これもらってくんない?」
あすか「いや、そーいう、いわくつきの品は要らない」
ねぎっちょ「だめかー」
久美子(中央)「あれ、お客さん?えーっと、ねぎっちょ」
ねぎっちょ(左)「お邪魔してます~。久美子ちゃん」
久美子「これ何?」
あすか「ねぎっちょが断捨離したいものだって」
久美子「あすかっちがもらったの?」
あすか「いや、私はとくに要らない」
久美子「くれるってなら、もらおうじゃないの」
ねぎっちょ「もらってくれる?」
数日後。
ねぎっちょ(左)「あれからどうしてる?変なことなかった?」
あすか(右)「全然。久美子ちゃん、茶釜の底に剣山置いて、自分のお部屋でお花を活けてるよ」
ねぎっちょ「そ、そう。もし本物だったとしたらなによりの供養ね」
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偽物に決まってるでしょう(笑)
この平蜘蛛の茶釜は「トイズキャビン」というところから出ている「戦国の茶器」というガチャです。全6種類。
1/4スケールですから、あすかっちたち1/6にはかなり大きいです。その辺はご容赦を。
雑貨屋のガチャの中でもっとも減っていました。ちょっと高価なので1コだけ回したらお椀じゃなくて茶釜が出てきました。
それで、こういうお話になりました。
他にも多少おかしなところもあるかもしれませんが、悪しからず。
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