あすか(右)「ヒロムくん、今日は久しぶりに来たってのに元気ないね」
ヒロム(左)「パパにベイブレードとかカードゲームのカードとか漫画とか小説とか捨てられちゃって…もっと勉強しろって」
久美子(右)「あ~、残念だよね」
ヒロム(左)「漫画やゲームはともかく、小説や詩や哲学や音楽も必要ないって言うんだよ。そんなの一文にもならないから経済を勉強しろって。本は実用書やノンフィクションだけにしろって言うんだよ」
あすか「せめて私が書いた本ぐらいは読んでほしいな」
あすか(左)「と、とにかくそういうお父さん困るね。ガツンと言ってあげようか」
久美子(右)「作家のくせに小説あんまり読まないあすかっちが言ってどうすんのよ」
ヒロム(左)「数学と英語とコンピュータができればいいって、PCとタブレット渡されて、エクセルとワードやれって言われたよ」
あすか(右)「パソコンも英語も、エクセルもワードもどうやっても身に付かないことあるよ。どっちも所詮ツールだから。それ使ってなにかしたいことある?」
ヒロム「したいことは全部駄目だって。とにかく覚えろって」
久美子(右)「失礼ながら、ヒロムくんのお父さんもダメ親よ」
あすか(左)「却って頭が悪くなりそうな教育方針だよね」
ヒロム「うん、無理に解決しようとしなくてもいいよ。ぼくこれからじっくりどうするか考えるから」
あすか(中央)「何もしてあげられないことがもどかしくて」
久美子(右)「ヒロムくんが気の毒~」
アルフレッド(左)「他人様の家の事情にやたら首突っ込むものではありません。引いて正解でしたよ」
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それでも受け容れがたい二人。
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