アルフレッドの部屋。
アルフレッド(左)「何のご用ですか、お嬢様」
あすか(右)「借りていた『聖ロザリンド』を返しに来たの。面白かった。ココに出てくる執事もアルフレッドって名前でで服装もそっくりでびっくりした」
アルフレッド「それはようございました、面白かったのなら」
あすか「8才の金髪碧眼の美少女がシリアルキラーってすごい設定だね」
アルフレッド「ですがロザリンドは純粋です。読み物としてもすぐれています」
あすか「アルフレッドの本棚ってリリカルなかんじだね。私、これ両方好き」
アルフレッド「私は美しいお話が好きなのです。お嬢様とは少女漫画の趣味は合うようですね」
あすか「ということは少年漫画のほうは…」
アルフレッド「残念ながら私は美しくないお話は好きではないのです。欲にまみれた内容のコミックは読めません」
アルフレッド(右)「最近はイケメンブームとかで少女漫画も欲にまみれたものがはやっております。遺憾なことです」
あすか(左)「そ、そうだね」
アルフレッド「ハーレム物だの逆ハーレム物だの…嘆かわしい」
あすかっちの勉強部屋。
浜ちゃん(左)「そんなことあすかさんが気にすることじゃないんじゃないですか?ハーレム物だろうと逆ハーレム物だろうと面白ければ書いてみたらいいと思いますよ。ま、私はどっちもどうでもいいですし、あすかさんは気になさらないでください」
浜ちゃん「あすかさんが読める少女漫画も昔のリリカルなもの以外は、ほぼ全滅ですよね。作家として致命的じゃないですか?」
あすか「うーん。だからいまだに万人受けしないんだよね。最近の少女漫画は男しかでてこないし、ヒロインがツルペタの少年漫画ってないし、ラノベ書くに当たってしんどいことだらけなんだわ」
浜ちゃん「でも、ラノベでない普通の小説よかったですよ。すっごく情念渦巻く大人の本ってかんじで、私好きです」
あすか「ありがとう」
浜ちゃん(左)「ほんとに中学生なんですか?」
あすか(右)「それたくさんの人に訊かれた。中学生作家なら優等生的なものを求められがちなんだけど、私、デビューからドロドロの昼ドラみたいな話だったから」
浜ちゃん「ラノベは結構カラッとしてるじゃないですか」
あすか「アレは編集がそう書いてくれって言うからだよ」
浜ちゃん「アルフレッドさんの持ってるリリカルな少女漫画、ラノベの参考になってます?」
あすか「なってる。可愛くて純粋なヒロインひたすら書こうと思って」
浜ちゃん「ネットで話題になってますよ、貧乳のヒロインなのに男子にウケている件。って」
あすか「イヤ正直恐いわぁ」
浜ちゃん(左)「ところでアルフレッドさんはリリカル少女好きなら、あすかさんのお好きな『赤毛のアン』も目を通してますよね。あれどう思ってるんでしょうね」
あすか(右)「アルフレッド、ちょっと頑固でね、『モンゴメリは人種差別主義者だから読みません』ってぴしゃっと言われた」
浜ちゃん(左)「え、モンゴメリってそうなんですか」
あすか「モンゴメリは作中でフランス人をうすのろ扱いしたり役に立たない役柄ばかりにしたり、あと個人的に東洋人が嫌いだったみたいでね」
浜ちゃん「それはイヤですね。でもアルフレッドさんってイギリス出身じゃないですか?モンゴメリはイギリス系のカナダ人ですよね?アルフレッドさんって公平な人なんですね」
あすか「うーん、今仕えてるのが私達東洋人だからなのか…その辺分からないんだけど、アルフレッドは人権については真面目なの」
浜ちゃん(左)「あすかさん、私をアルフレッドさんに紹介してください」
あすか(右)「あっちは70才近くだよ。きみはまだ中1じゃん」
浜ちゃん「そうじゃなくて、アルフレッドさんなら人間的に尊敬できそうです!色々お話ししてみたいです」
あすか「うーん、困ったな」
(・_・;)(・_・;)(・_・;)(・_・;)(・_・;)(・_・;)(・_・;)(・_・;)(・_・;)(・_・;)(・_・;)(・_・;)(・_・;)
私が高峰家の執事を「アルフレッド」にしたのは確か「バットマン」の「ダークナイト」を参考にしたのかな?ハイジ世代や黒執事世代の人は執事と言えば「セバスチャン(高畑勲・宮崎駿版のハイジの執事はロッテンマイヤーさんです。原作本ではセバスチャンが執事だそうです)」。映画好きなら「スティーブンス」。
ところが、久しぶりにわたなべまさこの「聖ロザリンド」というサスペンスコミックを引っ張り出してきて読んでみたら、ヒロインの家の執事も「アルフレッド」で外見が「ダークナイト」の執事アルフレッドそっくり。ネクタイも蝶ネクタイじゃないところまでそっくり。こは、いかに?
「聖ロザリンド」はもの凄く昔の本なんで「…」でした。というわけで、私の脳の中では執事といえば「アルフレッド」なのです。
![]() |
聖ロザリンド (ホラーMコミック文庫)
Amazon |
この作品は執事が出てこないバージョンもあるらしく、確実に「アルフレッド」をご覧になりたい方はホラーMコミック文庫のほうをお読みください。
これ、かなり凝って作られていて、少女漫画を読んだことがなくても楽しめると思います。