あすか(右)「おはよう。雑貨屋さんでいいのみつけたんだよ」
あすか「どんな?」
ノンコ「お父さんが戻ってきて、家中の電気消して回ってさらにブレーカー手で落とす夢」
あすか「あ~、小4の頃のことだよね。小4まで冷暖房のない生活だったから、エアコンの電気代でお父さんハラ立てたんだよねー。それまで月7000円だったのが1万円超えたってんで。で、『日本中で電気代が2万円近くかかる家はうちだけだ』ってキレてたよね」
ノンコ「夜だって、電気が勿体ないっていって夜8時には消灯だったし、トイレの電気もつけさせてもらえなかったしガス代勿体ないって皿洗いも水だったわね。あすかちゃんが生まれる前は北海道にいたけど、3月に暖房無しで寒かったわ」
あすか「うちって貧乏だったの?」
ノンコ「まさか。お父さん、当時、月35万は稼いでたわよ」
あすか「だよね」
ノンコ「とにかく公共料金を払うのが嫌いな人で、携帯電話買った時は固定電話も要らないって言い出してたからね。その時のことまで夢に出てきたわ」
あすか「それはお気の毒様。あれから随分経ったのに、お母さんひどいトラウマになっちゃったんだね。もう戻ってこないから大丈夫だよ。大学までお祖母ちゃんがサポートしてくれるっていうけど、なんなら高校行ったらバイトするよ」
ノンコ「大丈夫よ、お母さん来年度も学年主任でちょっとお給料いいから」
あすか「ま、今がよければいいんだけどね。お母さん、なんか飲む?」
ノンコ「要らないわ、なんか食欲すっかりなくなっちゃった」
あすか「夢で体調崩したらバカらしいからなにか食べなよ」
ノンコ「時々結婚しなけりゃよかったって思うことあるわ。一生独身でお祖母ちゃんのそばにいたかったわ」
うにちゃん「にゃ?」
ノンコ「だけどあんまりかあさんに近づきすぎるとお姉ちゃん達に『なんかもらってないでしょうね』って言われるし…」
あすか「親戚の仲が悪くなるってんならテルコ伯母さんは大丈夫じゃない?税理士と結婚したんだからお祖母ちゃんのお金あてにしなくてもお金持ちでしょ。ヤスノ伯母さんがちょっと恐いかな、でもあそこ子供いないし」
ノンコ「お金はいくらあっても邪魔にはならないものよ。姉妹だからこそ、気をつけなきゃならないの。確かにテルコ姉さんはお金持ちだけどヤスノ姉さんは旦那さん亡くしてるから、お祖母ちゃんをがっちり離さないと思うわ」
あすか「やれやれ、夢から醒めてもまた夢だねそれじゃ。お母さん、どうしちゃったの?大丈夫?」
あすか「…ま、お母さんにとって結婚してからの14年間はこわい夢みたいなものだったんだろうけど」
ノンコ「恐かったわ。あすかちゃんが中学にあがるまでお母さん側の家族と連絡を取ることも友人と会うことも禁じられて、誰にも相談できなくて。時々、今の生活が夢なんじゃないかと思うわ」
あすか「それモラハラだってあの頃、私が何度も言ったじゃない」
ノンコ「だからってすぐにどうにでもなるもんじゃないのよ。あすかちゃんが小学校でそのことをからかわれたり受験で不利になったら可哀想だったから。それにお母さんお仕事と家事両立できなかったんだもの。両立できないなら生きてる資格ないってあんたのお父さんに言われ続けたわ」
あすか「周囲の大人が言う『子供が可哀想』って魔法の言葉なんだよ。そう言って気持ちよくなりたいだけ。お母さんは、お父さんからも周りの人からも騙されてたんだよ。でも、もう今は何の心配も要らないよ。恐い夢は忘れて、世間を神サマにするのはやめて、前を向こうよ」
うにちゃん「ニャー」
あすか「私は結婚しないから。ずっとお母さんと一緒にいるよ」
((>д<))((>д<))((>д<))((>д<))((>д<))
まあ、なんというか、ここまでやっちゃうとぞっとする人もいるんじゃないかと心配で。
慎重に言葉を選びましたが、恐い話になってるかな…。
松谷みよ子先生の「モモちゃんとアカネちゃん」に本編を捧げます。
先生のご冥福をお祈りいたします。
テーブルの上のティーポットセットはぷちまるる さんのプレ企画でいただいたものです。
ポットの取っ手の太さがあすかっちの手にぴったりです。
ポットを傾けるとお茶のギミックが出てきて面白いです。ありがとうございました。
ドール ブログランキングへ



