自分が貧乏性なのは十分に解っている。
だからこそ、大切な〇〇は直ぐに下す事が出来ず、結果的に長期に渡っての放置状態となってしまう事が多々ある。
これは何もサーフボードに限る事ではない。
腕時計もアパレルウェアもバイク、車等でも同様だ。
しかし、人生には寿命がある。
折角、努力の末に入手した代物を使う事無く終活するのはこの上なく寂しい事である。
そんな想いからサーフボードに限らず有する「全てのモノを堪能してしまおう」と数年前にスイッチが入った。
本日紹介するボードもそんな1本である。
リリース早々に入手したにも拘らず、今では巷に多数の中古が右往左往する有様だ。
一言で云うならば「旬」を過ぎてしまったのかも知れない。
しかし、俺が有するのはクラシックボードである。
1960年代に誕生したそれらは70年の時を隔てても憧れの的であり、オマージュされる代物なので「旬」などは気にもならない。
紹介するボードはタイラー・ハジキアンの師匠であるハップ・ジェイコブスを代表数する422をオマージュしたこれだ。
リドラーである。
その容姿は非常にインパクトがあり、全体的なアウトラインは丸々422である。
テールには象徴であるスクープがシッカリとオマージュされている事が判る。
また、このボードのもう一つの象徴でもあるのが・・・
チョップされたストレッチノーズである。
ストレッチノーズはマイク・ヒンソンが考案したと云われており、このボードは422とストレッチノーズを掛け合わせた・・・
正に「?」なボードである。
コンセプトの名の通り、このボードには至る所に「?」が埋め込まれており、ダ・キャットフィンやイギーフィンを彷彿させるご覧のフィンにもそれが確認出来る。
そして、更なる「?」はボトムに埋め込まれた巨大なコンケーブ・・・
ボード全体の1/3?いやいや1/2に迫るかの様な深いコンケーブ。
これだけのコンケーブが入るとテイクオフにはかなり支障が出る事から長年の放置へと繋がって行った経緯もあった。
さて、この巨大なコンケーブを纏ったリドラー・・・
一体どの様に乗るか?
腕を組みながらボードを眺めていると1本のボードの事を思い出した。
「もう、暫くは乗らないかな?」とガレージの隅に仕舞い込んでいた同様に深いコンケーブを纏ったノーズライダー。
これらを2本並べてみた。
するとある事に気が付いた。
なんと、テールエンドを合わせて対比し・・・
反りあがったノーズの先端に目を向けると略同じアウトラインである事が判ったのだ。
ひょっとして、リドラーはノーズライダーをベースにテンプレートを起こしたのではないだろうか?
まぁ、この辺の事は今度タイラーに会った時に聞くとして、仮にノーズライダーをベースにしているのであればそれ程厄介なボードではないのでは?
テールまでの絞り込みが晩年のジェイコブスの422と云うよりはベルジーが考案した422の様に絞られているので取り回しが少々気になる所だが、キックテールの加減もかなりあるので思っている程は苦にならないかも知れない。
兎にも角にも、このボードだけは「見ただけで解る!」という代物ではないだろうから早々に海に持ち込み堪能したいと思う。
こうして1本のボードを追いかけながら綴っているとクラシックロングは奥が深い、そして、面白い。
だからこそ、有したボードは安易に手放せないのだ。
Keep Surfing!!!