「シェイプ歴のあるシェイパーは引き出しが多いんだよ・・・」
以前、こんな事を耳にした事がある。
ロジャー・ハインツは正にそれを形にしたかの様なシェイパーで、計り知れない程の引き出しを有している。
人によってはロジャーのPIGは「イメージが沸かない・・・」と思うかも知れないが、それは単に日本人が知らなかったに過ぎず、ロジャー自身はこれまでにも多くのPIGを世に送り出して来ている。
マイク・ブラックの新しいシグネチャーモデルをロジャーに託す事になった要因の一つは、このボードを依頼している時に感じた彼の引き出しの多さだった。
俺が長年想い描いていた理想を形してもらったベアーのリアルジャックモデルである。
このボードの制作にあたってロジャーと幾度となくミーティングを行っていた時に彼は幾つものパターンを俺に提案し始めたのだ。
「この時代のPIGをテーマにするなら、こうした方が良い!」とか、「ここは時代に沿っていないな」等‥
失礼ながら明らかに「俄かではない!」事を感じる程PIGを熟知していた。
リアルジャックモデルの企画を進行する傍ら、既に俺の頭の中では「彼の考える新しいPIGが欲しい!」との想いが芽生え始めていたのだ。
そんな時のマイクの「新しいPIGを考えているだ・・・」の一言。
もう、彼しかいない。
ロジャーしかいない。
古き良き時代のPIG・・・
マイクのサーフィンを最大限に生かせるPIG・・・
早速、ロジャーにコンタクトを取り、コンセプトを伝えるとロジャーはいつもの様に「君の頼み事はいつでもOKだ!」と嬉しい即答が返って来た。
マイクにロジャーとのやり取りを伝えるとマイクは「全てをロジャーに託す!」と興奮状態になっている一方で、「2つだけ汲み入れて欲しい事がある」と切望して来た。
一つはデッドフラット。
もう一つはテール形状を自身で決めさせて欲しい・・・
2点ともマイクが長年のPIG経験から得た拘りであり、自身のシグネチャーモデルだからこそ外す事の出来ないディティールである。
ロジャーはそれらを汲み入れる事を約束し、新たなPIGの制作が始まった。
さぁ、どんなPIG完成するのだろうか?
Keep Surfing!!!!!