大凡公式の見解とされている様だが、PIG全盛期の1959年・・・
この時代、カリフォルニアのサーファーは僅か250人足らずであったそうだ。
時代はサーフボードの素材がバルサからフォームへと移行し、あのベルジーとジェイコブスが袂を分けた時でもあった。
そんな、1959年。
250人と云うと、少々腕の立つ者はカリフォルニア一体で名を馳せていた様で、若かりし頃のミッキー・ドラ等はその筆頭であったのかも知れない。
しかし、その後のブームでサーフィン人口は瞬く間に増え続け、1966年にはカリフォルニアだけで20万人に達していたそうだ。
ひとたび、コンテストが行われれば何処の会場でも1万人以上のギャラリーが押し寄せていたそうだ。
また、それまで一部の者しか愛用していなかったウェットスーツも冬の海では頻繁に見掛けるようになり、1960年代も後半に差し掛かるとサーフアパレル等も登場し始め、その波に便乗するかの様にハミルトンがリリースしたサーファー向けのダイバーズウォッチ等もマーケットに登場し始めた。
チップに代わって登場したPIGによって大衆化したサーフィンはPIGの衰退と共により大きな産業になり、今に至っている。
「PIGが起源であり、原点なんだ!」と、以前カリフォルニアで耳にした事があるが、これはサーフボードの起源や原点を指している訳ではなく、業界そのものを指しているのだと解ったのは、それを聞いた数年後の事だった。
そんな、起源であるPIGを世界中に知らしめた男から「新しいPIGを創りたいんだ・・・」と相談を受けた。
「出来れば君の要素を汲み入れたPIGが望ましい」とも・・・
「いやいや、PIGの第一人者に提案できるPIGなどないよ」、「ましてや、俺にはPIGを乗りこなす技量がないよ」とも伝えた。
しかし、彼は譲らず「二人で良いPIGを創ろう!」と熱心に誘い掛けてくれた。
熱い心の叫びに従うかの様に縦に首を振り、そして、ミーティングが始まり1本のPIGが誕生した。
PIGはサーフィンの起源であり、原点である。
この表現、かなり重たいが何だか浪漫が詰まっていそうだ。
そんな、浪漫溢れるPIGの制作ストーリーを次回より綴ってみたい思う。
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