数回に渡って綴って来た映画「ビッグウェンズデー」のジャックモデルだが、いよいよ本日はボード自体を紹介したいと思う。
こちらである!
如何であろうか?
時間を掛けたせいだからだろうか?
こうして、画像越しで見ていると感慨深いものがある。
形状はPIGなのだが、1962年の夏の段階でジャックが抱えているボードはかなり乗り込まれた状態になっている事から1960年から1961年辺りに削られたのではないかとのテーマを掲げて、この時代のヴィンテージを参考にロジャーに創ってもらったのだ。
故に、前回削ってもらったマットモデルのこちらのボードとは全く異なるPIGと云う事になる。
今回、ミーティングで最も時間を掛けたのがテールの形状である。
劇中のジャックモデルはピンテールとなっているが、時代背景を考え丸みを帯びたテールにしてもらったのだ。
そう・・・
参考にしたのは後日紹介予定のこのバルサである。
俺自身がボードを型取りしてロジャーに送り、テンプレートを作成してもらったのだが、実に忠実に再現が成されているのではないだろうか?
フィンに関しては、やはり、時代背景を汲み入れ最後尾に劇中同様のフィンをリバースでセッティングしてもらっている。
リバースフィンに関しては1959年には既にサーフマーケットには登場しているので採用に至っては悩む事は全くなかった。
問題はボード自体のロッカーである。
マットモデルの時は、ここまで詳細にする必要もないと感じたのだが、やはり、2本目ともなると色々と欲が出て来るもので、「より時代にマッチしたモノ」が有したくなるのでデッドフラットも考えたが、ヴィンテージのバルサにロッカーが確認出来た事からご覧の様な緩やかなロッカーを採り入れる事にした。
ジャックモデルを追求して行く内に結果的には1960年代初頭のPIGになってしまった事から制作者のロジャーもストリンガーに沿うようにご覧のサインを入れてくれた。
更には、「The Real Jacl Barlow」モデルのサインまで・・・
更に、中央には燦然と輝くベアーのディケールが・・・
ベアーに関してはあくまでも架空のキャラクターレーベルである。
故に、ビジネス上様々なタイプのサーフボードが存在し、映画の世界とは掛け離れたサーフボードも多数存在している事からベアー自体を軽視しているサーファーも多分に居る事だろう。
しかし、それは致し方ない事であって、実際に多くのレジェンド達もかつて自身の思想に反するボードを多々マーケットに排出しているのだから、これに関しては切りがないのではなかろうか?
重要なのは「誰がどんなボードを削ったか?」であると俺自身は思う。
自身が満足していればそれで良いのではないだろうか?
今回のジャックモデルは俺にとっては正にその象徴の様なボードで、制作に携わってくれたロジャー・ハインツ、そして、助言をくれたカリフォルニアの友人達に心から感謝したい。
そして、このボードの進水式は同型のジャックモデルを有している後輩と「Wベアー」で行いたいと思っているので、乗り味の報告は改めて機会があれば綴ってみたいと思う。
レッドのマットモデルに始まり、バルサ、そして、今回のジャックモデル・・・
さて、次はあるのだろうか?
ネイビーのこれが気にならない訳ではないが、今は考えないようにしておく事にしよう。
Keep Surfing!!!!!