映画「ビッグウェンズデー」に登場する小道具に目を目けて来ると、それらの時代設定が滅茶苦茶である事が判る。
例えばファッション・・・
時には車も、そして、サーフボードも。
しかし、これらの出来事は何もビッグウェンズデーに限る事ではなく、名作「アメリカン・グラフィティ」においても時代設定に合わない曲が流れていたりと、当時のハリウッド映画がまだまだ黎明期である事が伺える要素でもある。
そんな中、冒頭で登場するベアーが削るバルサガンに至ってはある程度、史実に沿っており、物語に深みを齎せているのだが・・・
肝心の主人公達のボードがどうにも解せない。
マットの赤いボード、リロイのネイビーのボード、そして、ジャックのイエロー&レッドのボードはいずれもボックスフィンとなっており、しかも、強烈なピンテール仕様となているのだ。
「幻の大波を・・・」と、備えているのは理解出来るが、ここはバルサガン同様に史実に沿ったボードであって欲しかった。
そんな想いから生まれた「マイ・ビッグウェンズデーモデル」。
最初に手掛けたのは劇中の冒頭でマットの愛機として登場するこのボードである。
シェイパーであるロジャー・ハインツとのミーティングの末に完成したご覧のボードは俺的には「100点満点」のボードであるのだが、完成度の高いボードが出来れば出来る程・・・
気になるのが同じタイミングでロジャーに依頼した後輩のジャックモデルである。
このジャックモデルを俺自身の思想に基づきロジャーに依頼を試み渡米をしたのだが、当時はロジャーが重い病を患っており、対面が叶わずに時間だけが過ぎ去って行ってしまった。
それから2年後、ロジャーが快気したとの知らせを受け再び渡米を試みるも、今度は天災に見舞われ渡米が叶わず・・・
そして、昨今のコロナ過と。
無駄に時だけが過ぎて行ってしまった訳だが、現代のツールを駆使して何とか制作を引き受けてくれる事になったのだ。
ロジャーは25年以上に渡って日本のサーフマーケットを見て来た男なので日本人のモノに拘る気質を理解している人間でもある。
故に、細部に至るまで質問攻めにあい、「個々の支持をくれ!」、「ここはどう仕上げようか?」、「君の思想をもう一度確認しよう」等など・・・
そのやり取りに膨大な時間が費やされた。
遂には俺の代弁者として親友のマイク・ブラックまで駆り出す事になったのだが・・・
その結果、素晴らしいボードが誕生しつつあった。
制作の過程で何度もロジャーから送られて来た画像が彼の性格を表している事が解る。
ここまでの経過を見れば、もう、何も云う事は無さそうだ。
さぁ、どんなジャックモデルが出来上がったのか?
次回の更新にて紹介できればと思っています。
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