親交のあるサーフィンジャーナリストがこんな事を云っていた・・・
「オリジナルのダ・キャットは拝めるだけでも奇跡!」
「なんと云っても現存するダ・キャットの数が少な過ぎる!」
この言葉を残した後に俺が所有しているダ・キャットの話しをすると・・・
「多分、それはレプリカでしょう!」と、聞く耳すら持ってくれなかった。
ダ・キャット・・・
かの、ミッキー・ドラのシグネチャーでありヴィンテージサ―フボード史上、最もプレミアムなボードはクラッシクログを嗜む者にとって至高のボードとも云われている。
そんな、ダ・キャットを所有しながらも、そのバリューに気付かされたのはサーファーズの矢作さんの一言であった。
所有しているにも拘らず、新たなダ・キャットに出会った俺はロングボードの歴史に精通しているサーファーズの矢作さんに改めてそのバリューを尋ねた時の事だった。
事の始まりは2002年に限定リリースされたレプリカのダ・キャットの談義をしていた時の事であった・・・
「レプリカのダ・キャットも、もう、コレクターアイテムになって来て価格が下がる事は無くなったね」と、マーケット市場を教えてくれた矢作さんに、「そんな上がっているんですか?」と尋ねると、「日本は意外に安く出回っているけど、向こう(海外)だと1万ドル近くはするよね」と、驚愕の価格で推移している事を教えてくれた。
この数年、SNSが台頭して来て以来、売り手が相場を図れる様になって来てからはあらゆるモノが高騰する様になって来た。
それはサーフボードの世界だけでなく、バイク、車、時計、カメラ等々・・・
ヴィンテージと称されるモノの全てが高騰し始まって来てしまっているのだ。
「あそこで○○円で売れたならこれも○○円以上で売れる・・・」
そんな情報が飛び交う毎にヴィンテージの相場が上がって行く・・・
ダ・キャットに限ってはミッキー・ドラが他界して、そのバリューが再確認された事もありレプリカも軒並み価格が上昇してしまった様なのだ。
そんな最中に、「では、オリジナルのダ・キャットはどうなんでしょうか?」と尋ねると・・・
矢作さんは言葉を呑む様にしばらく間を開けて、「いやぁ、比較にならないでしょう?」、「と云うか、売りに出ないでしょう?」と教えてくれた。
ミッキー・ドラが好きで、その流れで手にしたダ・キャット・・・
正直、俺がこのボードに多大なバリューを感じたのはその時が初めてであった。
ダ・キャット・・・
云わずと知れたミッキー・ドラのシグネチャーであり、彼の為にグレッグノール自らが誕生させたボードである。
ミッキー・ドラは元祖マリブキングと呼ばれた男で、映画「ビッグウェンズデー」のリロイのモデルになった云われているが、主役のマットのモデルとなったランス・カーソンとは同世代ではなく、一世代上の人物でランスを始めとする多くのサーファーの憧れのサーファーであったと云われている。
彼はダ・キャットが誕生する前はジェイコブスに所属するサーファーとしてランス共々名を馳せており、以前、この画像をジェイコブス本人に見てもらった時に「あぁ、これは1963年に創ったボードで、写っているのはミッキーだね」と教えてくれた。
そんな、ジェイコブスに所属していたミッキー・ドラがグレッグノールに移籍し、彼の為にグレッグが誕生させたのがダ・キャットである。
1965年に誕生したダ・キャットはマイナーチェンジをタイトに繰り返しながら1967年までの僅か3年間のみ生産されたボードであり、その生産数はゴードン&スミスのストレッチノーズ同様に極めて少ないと云われている。
次回の更新ではダ・キャットの各ディティールをクローズアップして紹介したいと思いますので、引き続きご覧頂ければ幸いです。
Keep Surfing!!!