PIGを車に例えると・・・ | Viva '60s SurfStyle!!!

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1960年代のカリフォルニアサーフスタイルに心を奪われた男の独り言。

車が嫌いかと云われれば決して嫌いではない。
好きかと云われれば、勿論、好きである。
しかし、人様が思う程熱狂的なマニアでもない。


ただ、どうせ好きで乗るなら古き良き時代の車に乗っていたい。
そんな、想いからいつしか車は旧車がメインとなってしまっている。


勿論、家族が主として乗っているファミリーカーは現行車だが、俺の車は皆曲者ばかりである。
更には、その殆どがマニュアル車である。


先日、Instagramでこんなコメントを目にした。
「ヴィンテージボードはマニュアル車」、「モダンボードはオートマ車」。


なんだか、表現としては非常に奥が深くて、しかも、的確にボードの性質を理解した上でのコメントだと感心してしまった。


本日は、そんなオートマとマニュアルの云い回しをPIGに宛がえてみたいと思う。


冬は公私ともに慌ただしく、中々サーフィン三昧な日々を送る事が出来ないのだが、そんな最中でも海に出向こうとすると、どうしてもPIGを手に取ってしまう。


一般的には、「今日はPIGにでも乗ってみるか?」なのだろうが、俺の場合はPIG在りきのサーフィンライフとなっており、波の状態によってPIGを使い分ける事が多い様な気がする。


では、どの様な時にどんなPIGを持ち出すのか?


基本的には波のサイズが大きい時や速くてパワーのある波の時には、ビングのフェラールPIGやダノーのHOG、そして、タナー辺りを選んでしまう。


これらの3本は取り回しが非常にし易い様にボードに様々なマジックが仕掛けられている。
特にダノーのHOG等はスーパーキックテールを纏っている事もあり、PIGでありながら非常に過敏な反応を齎してくれる。
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それでいてボード自体に重量がある為、一度走り出すと強烈な加速を生み出し、速い波でも対応出来る程の恐ろしいボードである。


その走りは正にオートマ車そのものであり、このボードがシーコングのベストセラーになっているのは乗った人間であれば誰もが納得出来るのではないだろうか?
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一方のBINGのフェラールPIGだが、これはマイク・ブラックのシグネチャーという事もあり、「少々マニュアル車的な気難しさがあるかな?」と、思いきや、そこは天才マット・カルヴァーニが削ったボードである・・・
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非常にマイルドな乗り味に仕上げられているから「流石」の一言が付いて回ってしまうボードではないだろうか?


俺は、このボードに至っては略フロースルーフィンを装着するのだが、マットシェイプのPIGと相性は抜群で、PIGに乗っている事を忘れてしまう程である。
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この組み合わせによって、ダノーのHOG同様に体重移動しただけで未知の世界へと引き込んでくる魔法のオートマ車ではないだろうか?


少々異端児なのがロジャー・ハインツが削ってくれたベアーのPIGである。


ボードの重量感、レールの創り込み、そして、ロッカー加減を見ているとガチンコのヴィンテージレプリカの匂いがプンプンと伝わって来るのだが、いざ、身体をボードに預けてみると非常に軽快な動きを齎せてくれるのである。
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腕前は永遠の初級者であるが、PIGに関しては造形を見ているだけである程度「ボード方向性」が見えて来るのだが、このロジャーのPIGだけは良い意味で期待を裏切ってくれた様の思える。


後に紹介しよと思っている、もう1本のロジャーのPIGに至っても同様に感じられる事から、この乗り味こそがロジャーのPIGの醍醐味であり、その走りはオートマ車そのものである。


聊か云い回しに難しさがあるのがピーターのPIGである。
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このボードの特徴はノーズとテールに一切ロッカーが無い、スーパーデッドフラットである事は以前も綴った通りである、
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フィンも垂直に最後尾に付けられている事から、一見、「ヴィンテージ?」と思ってしまうが・・・
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実は、これは緻密に計算されたピーターならではの創り込みが成されていて、その走りは速い波にも対応出来き、軽快なコントロールを可能にしてくれるスピーディーなPIGであり、車に例えるとアルファロメオの様なセミオートマと云った所ではないだろうか?


そして、最後が巨匠、スティーブ・ブロムが削り上げるこちらのPIGである。
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先に結論を出してしまうと、これは乗り味が完全にヴィンテージである。
俺の経験上、この表現しか見当たらない。


ロッカーに至ってはピーター同様にノーズ&テールに一切採り入れられておらず、デッドフラットそのものである。
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しかし、全体的にボードが厚めである為、ノーズに緩やかなラウンドを採り入れているのでスムーズなテイクオフが可能である。


しかし、このレールの厚さだからだろうか?
いやいや、きっと、俺の技量の問題だと思うが、中々レールが入ってくれない。
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ダノーのHOGやビングのフェラールPIGが体重を傾けるとレールが入って行くのとは対照的で、テールを沈めながらレールを入れて行くというサーフィンの基本を要求される。


この手の操作は正にヴィンテージと同じであり、その操作性は正にマニュアル車と同様である。


しかし、このボードにはリバースフィンが装着されている事から、テール操作さえ慣れてしまえばスムーズなターンも可能にしてくれる。
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PIGと云っても千差万別で、一言で語る事は決して出来ない所がPIGの魅力であり、楽しさではないだろうか?


今回はそれらをオートマ、セミオートマ、そして、マニュアルと例えてみたが、乗り手が変われば感じ方が異なるのもまたPIGの魅力である。
参考にして頂けたら幸いです。


Keep Surfing!!!