グリーク・フル・カスタムのマリブチップ | Viva '60s SurfStyle!!!

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1960年代のカリフォルニアサーフスタイルに心を奪われた男の独り言。

「ボードを発送したぞ!」と、淡泊なメールをくれたのはニックだった。
 
 
「ニック、シェイプの工程を考えると完成に随分と時間が掛かったじゃないか?」
「一体どうしたんだい?」
と、告げた俺に彼は「今回のラミネートはアダムに頼んだのだけど、彼は忙しいから時間掛ったんだ」
 
 
寄越されたメールからこんなやり取りが行われた。
 
 
成田までボードを引き取りに行ってくれたのは、今回もシー・スワローの毛塚君である。
彼のフットワークの良さには頭が下がると共に感謝で一杯だ。
 
 
成田でボードを引き取った後に態々俺の職場まで運んでくれたのだが、そこには「待望」と云う言葉がぴったりのボードが待ち構えていた。
 
 
このマリブチップは俺だけではなく、仲間連中の多くが待ち望んていたボードでもあった。
 
 
一体、どんなシェイプレベルなのか?
どこまでランス・カーソンやジーン・クーパーの影響を受けているのか?
待ち切れない仲間の一人が、ボード見たさに毛塚君に同行して成田まで行ってくれた程であった。
 
 
そして、それは後輩も同じ気持ちだった様で、我が家にボードが到着するなり一目散でやって来た程であった。
そんな彼の協力を下に撮影した全体像がこちらである!
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うーん・・・

このアウトラインは正しくランスのマリブチップそのものであった!
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いや、当然と云えば当然の事なのだろうが、ニック同様にランスから手解きを受けたタイラー・ハジキアンのマリブチップにも瓜二つのアウトラインである事が判る。

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勿論、ニックなりの味付けがされたオリジナルテンプレートなのだが、俺にとっては良い意味でランスのDNAが次世代に伝わったのだと嬉しさが溢れて来る程であった。

 
 
また、このボードにはもう一つのDNAが汲み込められている。
そう、ジーン・クーパーのDNAである。
それを象徴するのがこのフィンだ。
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完全にと云って良い程、ジーンさんのハーフムーンである。

テールから覗き込む様に食み出たそのフィンは、ジーンさんのハーフムーンをニック流に短くアレンジしたのが手にとる様に解った。
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ニックが俺に「ランスとジーンの・・・」と云っていた通り、彼はレジェンドに囲まれながら、恵まれた環境下でこのボードを創り上げたのだ。
 
 
さて、そんなレンジェンドのDNAが詰まったボードだが、モダンの要素もしっかりと汲み入れられている。
こちらのノーズロッカーである。
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限りなくフラットデッキのクラシック感を損なく事無く、「ひょいっ!」とばかりにノーズの部分だけが反り上がっているのはヴィンテージチップへの経緯の表れの様な気がしてならない。
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さて、肝心のニックのシェイプスキルであるが、これを見定めるにはこの部分い着目するに越した事は無い。
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センターからノーズに掛けてシャープさが要求されるレールライン。

ボードがボードなだけ一概には云えないが、今のニックは5~6分咲き位ではなかろうか?
 
 
勿論、この5~6分咲きの査定は俺なりの解釈だし、満開を何処に定めるのかにもよるが、キャリアから云って5~6分咲は決して低いものは無いと思っている。
当然、今後のニックのシェイプ活動によって満開は近い将来達成されると思われる。
 
 
謙虚な彼が自身のボードである事の証として入れたスカルのディケールを見詰めながら「今後、彼がどの様なボードをリリースして行くのか?」と思うと、自然と笑みが零れて来るのがわかった。
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KEEP SURFING!!!