ヴィンテージジェイコブス | Viva '60s SurfStyle!!!

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1960年代のカリフォルニアサーフスタイルに心を奪われた男の独り言。

このブログを通して色々なサーファーと知り合う様になり、色々な事を教えてもらい、人の輪が広がって来た。
 
 
サーフィンが下手な俺ではボードの特性を掴めない場合は、知人達に乗ってもらい「俺自身が感じたフィーリングとどの程度の温度差があるのか?」なんて、事も試してもらう様になった。
 
 
そんな中、「これは難しい!」と云われるのがヴィンテージPIGである。
 
 
ヴィンテージPIGとレプリカを含めたモダンPIGで決定的に違うのは「マイルド感」だと俺は思っている。
 
 
扱い辛い代名詞のPIGも、やはり、そこは現行PIGである。
ボードにある程度のロッカーがつけられ、回転性を良くする為に同様にテールロッカーも汲み入れられている。
 
 
更にレールやボトムに至っても、造形こそPIGではあるものの、ヴィンテージとは全く別物である。
 
 
一言で語るならば、モダンPIGが「動くボード」だとするならばヴィンテージPIG「動かすボード」と云う事になるのではないだろうか?
 
 
本日紹介するボードは、それを象徴したかの様なヴィンテージPIGで、モダンPIGとは何もかもが相反する様なジェイコブスのPIGである。
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造形こそ、今では見慣れた何処にでもあるPIGに見えるかも知れないが、その重量感は圧倒的で、ダノーやダベンポートのボードがライトウェイトにさえ感じる程である。

 
 
このボードで注目すべきは点はストリンガーに刻まれたシリアルナンバーである。
ナンバリング353・・・
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1959年の創業当時に、どの程度ジェイコブスがサーフボードをセールスしたかは解り兼ねるが、この若いナンバリングから推測すると恐らく創業間もない頃ではないかと思う。

 
 
この時代のPIGの特徴は、数年後にブームとなる色彩豊かな色目や凝ったストリンガー、ハーフムーン等は使われておらず、バルサから移行した直後という事もあり、至ってシンプルな創り込みが一般であった。
 
 
よって、装着されている巨大なハーフムーンもご覧の様に軽量化を図ったかの様なご覧の様なフィンが装着されている。
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このフィンを見て、ピーンと来た方は恐らくダノーのHOGに乗られいるのではないだろうか?
ベルジーのPIGに良く見られる形状上のハーフムーンとは異なり、当時のジェイコブスのハーフムーンはその殆どがこの形状であり、ダノーがこれを意識したのは云うまでも無いだろう。
 
 
この時代のPIGであれば当然ながらデッキもフラットである。
ピーターのPIGで慣れて来たものの、やはり、この時代のフラットデッキには「凄さ」を感じる。
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そして、ディケールは現在では使われ無くなった「SURF BOARDS by JACOBS」が燦然と輝いている。
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俺がこのボードに乗って感じたのは「達成感」である。
如何様に、このフラットデッキでスムーズにテイクオフをするか。
如何様に、この巨大なハーフムーンでターンをするか?
そして、如何様に波をメイクするか?
 
 
技量はさて置き、近代の乗り易いPIGに慣れ果てた俺にとって、このボードに乗るという事は「達成感」の何物でもないと感じた次第である。
 
 
諸事情で海から少々遠ざかっていたが、久しぶりの波乗りはコイツと一緒に過ごせればと思っている。
 
 
海上にて、こんなボードで狼狽えていた俺を見掛けたら、ぜひ声を掛けて頂ければと思います。
一緒にヴィンテージPIGを堪能しましょう!
 
 
Keep Surfing!