クーパーフィッシュのカスタムボード | Viva '60s SurfStyle!!!

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1960年代のカリフォルニアサーフスタイルに心を奪われた男の独り言。

少し前の事だがジーン・クーパーからメールが届いた。

メールの内容は、正直、驚きを隠せない内容だった。。。
 
 
既に知っている方も多いと思うが、ジーンさんは「シェイパーをリタイヤをする事にした」、「だから、もう君にボードを削ってあげる事は出来なくなった」と、綴っていた。
 
 
事情はプライベートの事なので、ここで俺が言う立場ではないので伏させてもらうが、現在の溜まっているボードを創り終えたらプレーナーとは暫くお別れという事なる。
 
 
暫くと書いたのは俺独自の解釈である。
 
 
と、言うのも、彼は根っからのクラフトマンである。
かつて、プレーナーと決別をしたベルジーを始め、多くのレジェンド達が再びプレーナーを手にした様に、いつの日かきっと彼は再びプレーナーを手にすると思っているから、俺の中ではセミリタイヤという認識でありたいと思っている。
 
 
本日紹介するボードは、そんな、ジーンさんが俺の為に創ってくれたボードである。
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このボードのアウトライン・・・
ジーンさんのファンであれば一目瞭然かと思うが、実はこのボードはジーンさんが俺用にアレンジを加えてくれたボードなのである。
 
 
ジーンさんと食事をしている時だった。
 
 
「君はどんなボードが欲しいんだい?」と聞かれ、「マリブフォイルが欲しい!」と答えた。
するとジーンさんは、「あれは難しいボードだからCAに戻って君用のボードを考えてみるよ」と、言ってくれた。
 
 
また、彼は「要望があれば言って欲しい」と付け加えて来たので、「月並みだが俺はテイクオフが遅いので速いボードにして欲しい!」と、頼んだ。
 
 
更に、彼は「PIGが2本ともプレーンだったから、今度はライスペーパかアブストラクトにしてみてはどうかな?」とも付け加えて来た。
 
 
俺は即答で「アブストラクト!」と伝え、その後、彼がCAに戻ってから、度々、連絡をさせてもらう様になった。
 
 
そして、月日が流れ完成したボードには綺麗なアブストラクトが成されていて、これまで俺が所有して来たボードの中では異彩な出で立ちとなっていた。
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デッキの薄っすらとして柔らかいレッドに比べてボトムには深いレッドによるアブストラクトが施されており、職人ジーン・クーパーの熱き心が浸透しているかの様であった。

イメージ 3

ハンドクラフトを象徴するクーパー・フィッシュのディケールも、ビッグバーンをイメージするかの様な発色感があり、見事以外の言葉が見付らない。

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フィンはピポッド系のオンフィンとなっており、テール幅はベースとなったマリブフォイルよりも、やや広めに取ってもらいテイクオフの速さに拘った仕様にしてもらった。

イメージ 5

モダンクラシックの第一人者であるジーン・クーパーは、現在のオーダー残を消化した時点で暫しの休業(永遠では無い事を信じて)に入る訳だが、彼が創り上げて来たクーパースピリッツは親友であるマット・カルヴァー二によって受け継がれる事になる。

 
 
最愛の妻であるマーガレットから月に40本のシェイプのノルマを課せられたマットが、クーパーデザインを始めとする数々のレーベルをどの様にハンドリングして行くのかが非常に楽しみである。
 
 
そして、ファイヤーマンとして、シェイパーとして、長年第一線で活躍されて来たジーンさんに、とりあえずではあるが「お疲れ様」の言葉を捧げたいと思います。
 
 
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