続・ノールライダー | Viva '60s SurfStyle!!!

Viva '60s SurfStyle!!!

1960年代のカリフォルニアサーフスタイルに心を奪われた男の独り言。

1960年代に確固たる地位を築き上げたサーフボードメーカーは1970年代に入ると突如として一斉にマーケットから姿を消した。

 
 
ベルジー、ジェイコブス、デーブスウィート、グレッグ・ノール、デューイ・ウェーバー・・・
 
 
真っ先に頭に浮かんだメジャー処だけを書き綴ってみたが、まだまだ、これは氷山の一角である。
 
 
時代に付いて行けない?
簡単に言うとこんな所なのだろうが、話はそんな単純なものでは無かったようである。
不思議とこの辺の事を調べてみると、「時代に付いて行けなかった・・・」とあるだけで明確な史実が意外に見当たらない。
 
 
復活を遂げたレンジェド達に、当時のジャーナリスト達は恐れ多くて突っ込んだ質問は出来な方のであろうか?
それとも、噂通りの回答が目に見えて判ったから、あえて大きく採り上げなかったのだろうか?
 
 
それはさて置き、復活を遂げたレジェンド達は、かつてのつてを踏まない様に懸命に時代を採り入れようとしていた。
その最たる例がスタビライザーである。
 
 
1980年代後半から1990年代の初期に芽生えたロングボードの復活は、単なる復活では無かった。
ロングボードと言っても、あの当時のロングボードはショートボードがそのまま長くなった様なボードしか無く、ロングボードが一番輝いていた時代の姿は殆ど見掛ける事は出来なかった。
 
 
レジェンド達は「今度こそ!」とばかりに、これまで培って来た英知を振り絞り、時代に付いて行こうとしたのだろう。
生意気な言い回しになるが、結果、多くの駄作を創ってしまったのではないだろうか?
 
 
復活と遂げたレジェンド達は、挙ってショートボードが長くなった様なボードを世に出して来た。
しかし、ショートボードの時代を経験していなかった彼らがリリースして来たそれらのボードは、かつての名品に多少のアレンジを加えた付け焼刃の様なボードであった事は否めないと思う。
 
 
前回の更新で少しだけ紹介したこのボードも、そんな付け焼刃の様なボードに見えてしまうのは俺だけであろうか?
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いや、もっと前向きに物事を見るとするなれば、こういうボードをリリースしたからこそ、数年後のリリースされたリミテッドのダ・キャットに繋がったのだろうか?

不思議なもので、たった1本のボードだけで様々な事が垣間見えて来るのだから、それはそれで面白いのだが・・・
 
 
さて、2週間に渡っての前置となってしまったが、遅ればせながらグレッグ・ノールのボードの紹介をしたいと思います。
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上の画像でも紹介したボードは、1960年代にダ・キャットとならび一世を風靡したグレッグ・ノールのノーズライダー、通称、ノールライダーの系譜のボードである事はこのテールのラインから見ても誰もが察しの付く事かと思う。
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また、この時代のボードにしては深いコンケーブが入っている事からも、ノールライダーをベースに創られた事が窺えるから面白い。
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このボードの正式なモデル名はTCモデル・・・
このモデル名の由縁は残念ながら不明であるが、ストリンガーにはしっかりとその名が刻まれている。
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長さは9ftで、元々はスタビライザー付きのボードだったものを前オーナーがシングルへと変えるべく、修正を施した跡がしっかりと残っている。
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本来、スタビライザー付のボードをシングル仕様に変えても、シングルの醍醐味は味わえないというのは誰もが解る事だと思うが、このボードに限ってはそうでは無かったのかもしれない。
例えば、このテールブロック・・・
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機動性を高める為にスタビライザー仕様となっている筈なのに、ウッドブロックが施されている。
そして、デッキには総ファブリックが敷き詰められている。
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結果、9ftでありながらも、ずっしりとした重さになってしまっている事は言うまでもない。

この中途半端なオールラウンドを何とかするべく、きっと、前オーナーは禁断のメスを入れたのではないだろうか?
 
 
フィンシステムは当然ながらBOXとなるのだが、手元にあったダ・キャットフィンを装着してみたが、流石に相性が良く見えてしまうのは俺だけであろうか?
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しかし、この中途半端オールラウンドボードはグレッグ・ノールに限った事では無く、この当時、ベルジーやハップ・ジェイコブスレーベルからも同じ様なボードが多数リリースされているのだから、冒頭の話を書き綴ってみたくなった訳である。
 
 
上記の事を知る由も無く、ただ、ベルジーツリーのディケールを追い求めて1990年代の終わりに入手した駄作たるこのボードにも、一つだけ嬉しい置き土産が残っていた。
それがこちらである。
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筆圧や筆跡が異なる事から、恐らく両者が別に別にサインを刻んだんだと思われる。

さすがに、このボードを二人でシェイプしたとは思えないが、グレッグ・ノールの監修の下で、ハンク・バイザックが削った証しの表れである事は間違いないであろう。
 
 
さて、今回もかなりの長文になってしまった様な気がしますが、最後まで読んで頂き本当にありがとうございました。
いずれ、このボードをレストアしたいと思っているので、改めて紹介出来ればと思っています。
 
 
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