ジョニー・ライス | Viva '60s SurfStyle!!!

Viva '60s SurfStyle!!!

1960年代のカリフォルニアサーフスタイルに心を奪われた男の独り言。

先日、世話になっているサーフィン関係者の方と話をさせて頂いた時の事なのだが、「今の若いロングボーダーは老舗のサーフブランドを知らない!」と教えてくれた。
その方は俺のブログを読んでくれているので、会話はブログの内容にも触れてくれて、「NALUがああなってしまったから知る術が無いのだろう」とも話していた。
 
 
これは前にも書かせてもらった事なのだが、インターネットは確かに便利だが、己が必要とする情報しか入手出来ないというデメリットを持ち合わせている。
 
 
今のクラシックを主とするロングボード業界は、モダンクラシック系が牽引している傾向が強い為、サーフマガジンの影響力が落ちて来てからロングボードを始めたサーファーは、どうしても老舗のサーフブランドには興味を持たなくなってしまうのだろう。
 
 
今日紹介するボードも、一体どれくらいのロングボーダーが「知っているのか?」と思うところがあるのだが、その方に「NALUの代わりに発信してよ!」と言われてからではないが、今は無きレジェンドの痕跡を紹介したいと思い、チョイスした次第である。
 
 
いつもながら、前置きが長くなってしまったが、本日はこちらである。
レジェンド、ジョニー・ライスがシィエプしたスピードシェイプモデルである。
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業界人を除いて、ジョニー・ライスの名を聞いて直ぐに頭に思い浮ぶ方は、かなりの猛者ではなかろうか?

彼はインディアンの血を継ぐ、サンタ・クルーズの偉大なレジェンドである。
 
 
ジョニー・ライスはバルサの時代からシェイプを始め、ベルジーのクルーとして1954年から1959年までの間同じ時を刻んで来た、所謂、ベルジーツリーの一人である。
また、ベルジーとジェイコブスが袂を分けてからも1年間ジェイコブスの元でシェイプをし、1964年に自身のレーベルを立ち上げた男である。
 
 
ジョニー・ライスでのレーベルが日本国内に代理店があったのかは?俺も知らないが、一時、サーフテックにてライセンスを提供していたので、若しかしたら名だけは知っている方もいるかも知れないが、俺が彼の存在を知ったのはベルジーの事を追いかけての事だった。
 
 
そして、ベルジーの系譜を追いかけて行く上で、どうしても彼のボードが欲しくて懸命に探した思い出がある。
当時は今と違ってインターネットが余り普及していなかった事もあり、かなり、苦労したが何とか上記のボードに辿り着いた訳である。
 
 
ジョニー・ライスの情報自体が国内では殆ど採る事が出来なく、俺自身もこのボード1本しか所有していない為、彼のボードの特性は不明な点が多いのだが、ベルジーの系譜を辿る事が出来るディティールがあるとしたらこれではなかろうか?
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「テールブロックのエンド部分は濃い木の方が良い」との教えを見事に受け継いでくれている。

因みに、この教え、当時のベルジーの下に訪れた若きシェイパー達は、皆、教えられた様で、その影響を最も受けたのがデューイ・ウェーバーだそうである。
 
 
そして、ディーケールにもベルジーの系譜を辿れるかの様な要素が多分に垣間見る事が出来る。
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ロングボードが輝いていた古き良き時代、サーフボードには毛色の違うディケールが数種類貼られていた事があったが、このレプリカも同様の洒落心が窺える所が面白かったりする。
 
 
サインはブルーのカラーフォームにTバンドを施したストリンガーに擦る様に書き収められている。
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しかし、このボードのアウトラインを改めて見て思ったのだが、どことなく、ジェイコブスの422に似ている様な気がする。
勿論、特徴的なテールに向かっての絞る様なラインは無いのだが、元々、422はベルジーが考案したボードだけに、このボードも若しかするとベルジーの思考が多分に汲みいれらたボードなのだろうか?
 
 
フィンシステムはデッキ面に大きなロービングが付いてはいるものの、残念ながらこのボードはグラスオンではなく、BOX形状になる。
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しかし、このボードには彼が選定したオリジナルフィンが付くので、これに限ってはBOXであっても満足はしている。
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今はサーフショップが出来る限りボード価格を安価に押さる為に、BOX形状のボードにはフィンが付属しないのが一般的だが、1990年代はBOXであってもシェイパーが選んだフィンが付属されていたので、フィンの選択に迷う事が無く、俺みたいな天邪鬼には良かったサービスであった。
 
 
数々の伝説を残して来たジョニー・ライスは、他のレンジェンドの背中を追いかける様に昨年77年の生涯に幕を閉じた。
彼を尊敬するサンタクルーズのサーファー達に見守られながら・・・
 
 
ご冥福をお祈りします。
 
 
Keep Surfing!