クレイジーな拘り | Viva '60s SurfStyle!!!

Viva '60s SurfStyle!!!

1960年代のカリフォルニアサーフスタイルに心を奪われた男の独り言。

以前発売されたNALUで、サーファーズハウスの特集をしていた。
海の目の前に居を構え、その光景はTVや映画で見受けられるプライベートビーチそのもので、羨ましい限りであった。

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自宅から一番近いポイントまで40キロある俺は、海に行くと言うのは「特別な出来事」になって来る。
仮に俺の自宅が海の目の前だったら、いや、徒歩圏、自転車で5分程度の場所だったら、サーフィンをする事は生活の一部になっていたかも知れない。



朝起きて、散歩がてらにサーフィン。
夕食前に軽くサーフィン。



そうなったら、きっと、今の様なボードオタクにはなっていなかった筈?だと思う。
そもそも、俺がボードオタクになってしまったのは、ベルジーツリーだの、マジックボードだの、と言っているが、実際には海に頻繁に行く事が出来ない?「男の悪足掻き」みたいな事が要因にあると思う。



こんな俺でも一応、人相応に仕事はしている。
家庭もあって、女房への家庭奉仕や、子供との時間も必要であり、海ばかりには行ってられない。
そう、行けて週一回から十日に一回位であろうか?
当然ながら、終日サーフィンと言う訳にはいかず、せいぜい半日位が限界である。



そんな限られた時間にも関わらず、悪天候に見舞われたり、急に入った仕事の影響でサーフィンが出来ない事は日常茶飯事で、それらが続くと丸々一ヶ月近くもサーフィンから遠ざかってしまう事もある。
そういう時にいつも、思う・・・「自宅の前が海だったら」ってね。



もし、自宅の前が海だったら、きっと、ボードは何でも良いと思っていただろう。
だって、サーフィンが生活の一部なのだからね。
特別な事ではないのだから、特別なボードは必要ないと感じると思うんだ。
俺はね。



カリフォルニアでサーフィンをしていた時に、たくさんのビジネスマン達と海で遭遇した。
彼らは、仕事前の僅かな時間を使ってサーフィンを楽しんでいた。
そんな彼らのボードは、ノンブランドばかりであった。
彼らの自宅が何処なのかは知らないし、職場が近いのか遠いのかも知らない。
ただ、彼らが仕事前に海に来れる環境を持っている事は事実である。



でも、俺はそういうサーフィンは出来ない。
だからこそ、俺なりのサーフィンの楽しみ方を見付けた。
それがボードのコレクションになって行った訳だ。




サーフボードは不思議なもので、実際にどのボードが幾らか?というのは非常に判り辛い物である。
定価があっても、それが適正な定価かどうかは普通には判断し辛いものである。
例えば、フォームが異なるだけでボードの価格は異なって来る。
更には、ボランクロス。
10オンスなのか?8オンスなのか?
全て同じオンスで巻かれているのか?
部分的にシレーンを使用しているのか?



だから、仮に同じブランドで、見た目も同じボードがあっても、価格が全く異なる事はある。
以前、知り合いに紹介されたサーフショップを覗いた時に、陳列されている全てのボードが高額であった。
他のショップでは、2割から3割も安く売っているブランドが、その店で尋常ない金額で売られていたのだ。
余りにもインパクトが強過ぎて、居てもたってもいられず、思わず店主に尋ねてみると、色々な話を聞かされ、やがて、シェイパー達と縁を持つ様になって、その店主の言っている事が繋がった経緯がある。



ボードを安く売る店は、良くも悪くも安くする為の企業努力をしているのだ。
利益率を薄くする事も一つだが、ボード自体に安くする為の秘策が加わっているのだ。



別に安いボードが悪い訳ではない。
俺もサーフィンが生活の一部だったら、ボードなんて何でも良いと思うに違い無いと思うだろう。
でも、俺のサーフィンは、自分が納得出来るボードに乗って、初めて自分なりに満足出来るサーフィンを楽しめるんだと思う。
だから、安くする為の細工は必要ないと思っている。



フォーム100ドル。
ラミネート100ドル。
シェイプ料100ドル。
アメリカのガレージシェイパーが造るボードの相場は、300~400ドルである。
勿論、一番安い例であるが、物に拘らなければ、これでもサーフィンは充分に楽しめる。



価格に拘る人、ブランドに拘る人、シェイパーに拘る人、素材に拘る人と、人の拘りは様々であるが、俺は、その拘りが強過ぎた結果、1年で30本以上のボードを処分した。
お気に入りのブランドでも、フォームがダメなボードは必要ない。
ストリンガーがチープな物は必要ない。
シェイパーをリスペクト出来ないブランドは必要ない。



色々なサーファーが色々な拘りを持っていると思うが、俺はこんな感じの男です。
何処かの海でお会いし時にはよろしくお願いします。



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