グレッグ・ノール | Viva '60s SurfStyle!!!

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1960年代のカリフォルニアサーフスタイルに心を奪われた男の独り言。

色々な噂が絶えないが、ロングボード最後の日をご存知だろうか?
ショートボード革命が1967年に起きたと言われる一方で、ロングボード終焉の日は1969年と言われている。



 

誰が最初に言ったのだろうか?
噂が噂を呼び、今では伝説の域に達している話である。



 

前にも書いたが、ランス・カーソンは1970年代に入ってもロングを削り続け、そして、マリブでサーフィンをしていた。
にも拘らず、1969年が終焉と言われる由縁には、一人のヒーローが海から消えた事が大きかったからであろう。



 

彼の名はグレッグ・ノール。
言わずと知れたベルジー・ツリーの一人で、20世紀を代表するビッグウェーバーの一人である。
シェイパーとしてだけではなく、ビジネスマンとしても才能を発揮していたグレッグ・ノ-ルは、サーフィンにおいても素晴らし経歴の持ち主である。
そんな、彼を一躍有名にしたのが、ジョン・シーバーソンが撮影したこのショットである。

 

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ビッグウェンズデーのオープンニングにも使われたこのショットは、1969年の伝説を一際大きいものにしたと言われている。
1969年のあの日あの時、ハワイに訪れた30フィートの波に立ち向かったグレッグ・ノールは、その後、突如として海から消え、漁師へと転身したと言われ、これが一般的なロングボードの終焉の日と言われている。



 

この話に、どれ程の真実味があるのかは俺には判らない。
ただ、これを境に、多くのサーフボードメーカーが消えて行ったのは事実である。
茂垣ながらも、試行錯誤しながらも、時代の波に呑まれていったシェイパー達が次々と消えて行った。
最盛期に、週に数百本のボードの販売実績を挙げていたシェイパー達が一斉に海から消えたと言われている。
今日、紹介するボードはロングボードが一番輝いていた時代に造られたボードである。
グレッグ・ノールのヴィンテージである。

 

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アウトラインからして、1960年代初頭である事が判る。
PIGの造形ながらも、大きなハーフムーンがレイクされた形は、後に登場する名品、ダ・キャットへの布石に見えてならない。

 

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テールブロックには、ウッドがしっかりと装着されており、ベルジーの教え通りなのか?エンドの部分には濃い木材を用いている。

 

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また、圧巻なのがストリンガーである。

 

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レッドウッドはシダーとは異なり、表面がマダラに模様付くのが特徴であり、贅沢な素材を使えていた時代の賜物である。
重さは・・・なんで、こんなに重いのかと「?」が過ぎるほどである。
いずれ紹介したいと思うが、同じヴィンテージでも、ダ・キャットと比べるとこの時代の造り込みは半端無い!



 

グレッグ・ノールのボードは、1990年代にハンク・バイザックが限定で少々リリースした程度で、本人の削るボードは殆ど存在しないと言われている。
従って、このディケールも当然お目に掛かる事は滅多に無いのではないだろうか?

 

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以前、グレッグ本人がシェイプしたレプリカが欲しくて、カリフォルニアに住む知人に打診した所、3年待ちの2万ドルと言われた。
しかも、前金!



 

グレッグの年齢を考えると、ちょっと、それは無謀過ぎるので話が流れてしまったが、数あるヴィンテージボードの中でも、グレッグ・ノールのボードは、群を抜いて希少なのかも知れない。
ヴィンテージ2本、レプリカ1本・・・ちょっと、独り占めし過ぎかな?



 

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