ヴィンテージウェーバー | Viva '60s SurfStyle!!!

Viva '60s SurfStyle!!!

1960年代のカリフォルニアサーフスタイルに心を奪われた男の独り言。

デイル・ベルジーとハップ・ジェイコブスが袂を分けてから、それまで彼らの工房で働いていた若きシェイパー達は一斉に己の暖簾を掲げ挙げた。

それは嘗てのパートナーであったジェイコブスも同様であった。

 

 

時は1959年、サーフィンが大衆化に向かって夜明けを迎える記念すべき年でもある。

 

 

しかし、その一方で数あるベルジーショップの中で完全にクローズしてないショップも存在していた。

その店には後にデューイウェーバー・サーフショップを立ち上げ様としているデューイ・ウェーバーの姿があった。

 

 

彼は多くのベルジーの弟子達の中でベルジーと仲違いした稀な人物でもあった。

 

 

多くのショップがクローズして行く中で、ウェーバーはショップの家主から「君がオーナーをやったらどうだ?」と持ち掛けられた。

 

 

ウェーバーはその言葉通りに、これまでベルジーショップだった店を自らの名を冠したデューイウェーバー・サーフショップを立ち上げる事になる。

 

 

しかし、ベルジーにとって、その行為は「店を乗っ取られた」と写り、誤解の解けぬままウェーバーはこの世を去ってしまう。

 

 

他の弟子達に後れを取りながらもウェーバーは1960年に自身のレーベルを立ち上げた訳だが、彼はベルジーから授かったPIGを中心に多くのサーファーを魅了して行く・・・

 

 

本日紹介するボードは、正にその時代に創られた歴史的なボードである。

それがこちらのデューイ・ウェーバーのヴィンテージPIGである。

時は1963年。

サーフボード業界は他のメーカーとの差別化を図る為にボードに様々なデコレーションを加えて行くのだが、このボードは正にそれらの集大成の様なボードである。

 

 

ご覧の様に、カラーはウェーバーのチームカラーを象徴するレッドをメインにデザインされており、メーカーのアイコンであるディケールはストリンガーを挟んで左右に付けられている。

また、ストリンガーはバルサをレッドウッドでTバンドしており、如何にも豪華絢欄が成されたデザインとなっている。

テールブロックはベルジーに習い、エンド部分に濃い木材を用いている所等はウェーバーPIGの真骨頂とも云えるのではないだろうか?

そして、ノーズライダーが浸透するまでのPIGの魅力と云えば、各メーカーが鎬を削ったフィンである。

多彩な組み合わせを試み、サーフボードをより華やかに見せる為の演出がフィンであったと当時のボードを知る誰もが云う程、メーカーの見せ所でもあった。

時代的にマニューバを意識していたのか?フィンがやや前方に付けられている所等も、他社の差別化の一環だったのかも知れない。

しかしながら、レイクが掛かっている為、ご覧の様にテールから食み出す様はお約束と云った所であろうか?

勿論、この時代のPIGはロッカーなどは無用で、デッドフラットである事は云うまでも無い。

デューイ・ウェーバーの傑作と云えば、間違いなく1966年に誕生したパフォーマーである。

その為、ウェーバーの血を受け継ぐ息子のシェーもPIGには特別な思い入れは無く、パフォーマーのみにバリューを感じている事が彼の言動から感じられた。

 

 

故に、ウェーバーのPIGは市場で見掛ける事は非常に稀で、俺もシェーから譲ってもらうまでは一度たりとも見た事が無かった。

ベルジーのフォームビンテージ同様に、その数が著しく少ない事もあり、「探して出て来るボードではない」部類に入るウェーバーのPIG・・・

若し、巷で見掛けた時には迷う事無くGETされる事をお勧めします。

 

 

Keep Surfing!!!!!!!