頭を良くする『ブレインフード』!~脂質編~ | 最新科学の栄養学と医学が教える!ヴィーガン・ベジタリアンの健康の秘訣と注目トピック解説

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病院で健康相談を担当するベジタリアン栄養学博士が科学的根拠を基に栄養学と医学的トピックをお知らせします。
みなさまの健康への一歩を応援します。

あ~、もっと頭が良かったら…

なんてことありませんか?

 

誰だって頭が良いに越したことはないですよね。

あ~、もっと頭が良かったら…

なんてことありませんか?

 

誰だって頭が良いに越したことはないですよね。

 

 

人間の脳のパフォーマンスは、

 

親から受け継いだ遺伝子と、← これは、どうにも変えられません…

 

栄養、

育児、

社会的交流、

ストレス、

病気など

 

多くの外部要因との相互作用で決まります。

 

 

ということは、少しでも頭を良く働かせるためには、

 

遺伝子は変えられないので、

食事などの外部要因をどうにかする他ありません。

 

 

妊婦のお腹の中の赤ちゃんだけでなく、

大人でも、

 

中枢神経系の細胞は分裂を繰り返し、

大脳の神経細胞などが作られているそうです。

 

 

その脳に大切な栄養素には、脂質や微量栄養素があります。

 

脳の半分は脂質でできているので、まずは脂質についてお話しします。

 

①    脂質

 

脳の(乾燥重量の)半分は脂質で、

脳内の脂肪酸の約50%は

 

アラキドン酸(n-6系)と

DHA(n-3系)

 

です。

 

これら脂肪酸の摂取は、

 

胎児・新生児の海馬(脳内にある記憶に大切な部分)の

 

細胞増殖に影響を与えるようです。

 

 

また、DHAは、

 

認知能力に関連する機能をコントロールし、

神経細胞の分化を促進させ、

脳内の遺伝子発現に

 

影響を与えます。

 

分化:細胞が分裂を繰り返し、ある特定の機能を持つ細胞になること

 

 

 

ホスファチジルセリン(リン脂質の一種)は、

 

脳内の信号送受信に重要な働きをし、

 

この物質の補給で、認知機能の低下を防ぎ、

 

記憶力の向上を助けます。

 

 

ガングリオシドは、

 

細胞間認識や細胞接着、

 

細胞の運動性、

 

成長などの機能を

 

仲介します。

 

ガングリオシドの構成成分であるシアル酸は、脳の発達、学習、記憶に関与します。

*ガングリオシドとは、糖鎖上に1つ以上のシアル酸を結合しているスフィンゴ糖脂質の一種

 

 

これらの脳に良い脂質を多く含む食品は…

 

多く含む食品

 

アラキドン酸(n-6系):肉類、魚類、レバー、卵。

アラキドン酸は、ナッツ・種実類、豆類などに多く含まれるリノール酸から体内で合成されます。

 

 

 

DHA(n-3系):脂ののった青魚。

DHAは、亜麻仁油、えごま、くるみなどに多く含まれるα-リノレン酸から体内で合成されます。

ただし、リノール酸の摂取量が多いと、体内での合成が阻害されます。

 

 

 

ホスファチジルセリン:さば、鶏の心臓、レバー、ニシン、白豆、まぐろなど

 

 参考文献:健達ネット「認知症に対するホスファチジルセリンの効果は?」

 

 

 

ガングリオシド:野菜、果物。特にさつまいも(特に皮)。

 

 参考文献:日本油化学会誌 9 (10), 473-481, 2009

      食材食品ナビ「ガングリオシド」

 

 

 

「ブレインフード」たくさんありますが、取り入れやすい食品から、毎日の食卓に取り入れていきましょう~


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参考文献:「脳に良い食品ー脳のパフォーマンスと健康に果たす食事の役割」

  栄養学レビュー No.115 2022 Winter p109~129