ケトン食って聞いたことあるでしょうか?
近年、アルツハイマー病、パーキンソン病などに効く、と言われて注目されている食事法です。
ケトン食とは?
高脂肪かつ低たんぱく質、低炭水化物
(重量比率で、脂肪:たんぱく質+炭水化物は3:1または4:1)の食事です。
このケトン食を摂ると、
脳の主なエネルギー源をぶどう糖からケトン体にすることで活性化する代謝機構(ケトーシス)が治療につながる、という訳です。
脂質はケトン体を作りやすく、
炭水化物(糖質)はケトン体を消す方向に働き、
タンパク質はその中間です。
ということで、脂肪が多く炭水化物(糖質)が少ない食事を摂取することにより、
ケトン体を体内で生成させることができる、ということなのです。
ケトーシスは、絶食すると起こります。
つまり、ケトン食は、絶食によっておこる代謝過程、ケトーシスを起こす食事療法です。
どんな神経疾患に効く?
アルツハイマー病、
パーキンソン病、
難治性てんかん、
グルコーストランスポーター1欠損症症候群
の患者の認知能力を改善するのに効果がある、と言われています。
ケトン食の副作用
低血糖、吐き気・嘔吐、便秘・下痢、体重減少、活動性低下などが副作用としておこる場合があります。
また、ケトン食を実施すべきではない病気もあるため、
原則、入院で導入し、医師の指導の下で、副作用が生じないか十分な観察を行いながらの実施が必要です。
ケトン体は酸性物質であるため、ケトン体の量がさらに増え、血液が酸性に傾くとケトーシスからケトアシドーシスに進行します。この状態が続くと、意識障害や昏睡といった危険な状態に至ることがあります。
自己判断で実施することはやめましょう。
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参考文献
『神経疾患におけるケトン食と認知機能系統的レビュー』 栄養学レビュー 2022 Winter
"Ketogenic diet and cognition in neurological diseases: a systematic reviewNutirition Reviews" 2021 p802-813.