植物由来の食品には、ビタミンC、ビタミンE、ベータカロチン、ポリフェノール、フェノール酸などの生理活性物質が豊富に含まれ、酸化防御、炎症の抑制、皮膚の構造を支えるための働きをしています。
さまざまな研究により、特定の果物や野菜のナッツ類、豆類、ポリフェノール摂取量が多いほど、皮膚の健康状態、つまり、皮膚がみずみずしくなったり、色素沈着、しわ、しみ、弾力性の改善などが示されています。
50 歳から 70 歳の閉経後の女性が、マンゴー1/2カップを週4回、16週間摂取したところ、顔の深いシワが有意に減少しました。
同じように1.5カップ(250g)摂取した人は、逆にシワが増加しました。
これは、果物に含まれる糖分の量によると思われます。ブドウ糖と果糖は、コラーゲンとエラスチン繊維の糖化を促進し、皮膚を支える皮下組織を破壊することが知られています。おいしいマンゴーも食べ過ぎて糖分を摂りすぎるとダメなんですね。
この研究で使われたマンゴーは、アタウルフマンゴー(Ataulfo mangos)と言って、皮は黄金色で、通常170〜280gの重さがあり、メキシコ産のマンゴー品種です。
マンゴーの中でもビタミンCの含有量が高く、
1/2カップ(85g)で107mg、
ベータカロテンも豊富で2219μgを摂取することができます。
また、マンギフェリンというポリフェノール含量も他の品種に比べて多いようです。
日本食品標準成分表2020年版を見ると、マンゴーはメキシコ産、フィリピン産のマンゴーで、
100gあたりのビタミンCは20㎎、
ベータカロテンは610μgで、
アタウルフマンゴーに比べてビタミンCは約1/5、ベータカロテンは約1/3と低くなっています。
マンゴーを食べすぎると逆効果、ということなので、しわにはアタウルフマンゴーが効くようです。
また、60gの生アーモンドを毎日食べた人もしわが少なくなりました。
その他、
コップ1杯のざくろジュースは日焼けに効き、
オレンジエキスは肌の色素沈着防止によく、
ぶどうエキスは肌の色素沈着を防いで白くし、肌をみずみずしくし、
大豆イソフラボンは肌をみずみずしくハリを出し、しわに効くようです。
ポリフェノール豊富な果物や野菜、ナッツ類、豆類をたくさん頂いて体の内側だけでなく外側も美しく保ちましょう。
"Plant-Based Foods for Skin Health: A Narrative Review"
J Acad Nutr Diet. 2022;122(3):614-629
https://www.jandonline.org/article/S2212-2672(21)01433-7/pdf