加工食品の原材料を見ると、"カラメル色素"という言葉を見かける事があります。
カラメル色素のカラメルと言うのは、プリンにかけられるこげ茶色のソースと同じカラメルです。
カラメル色素には製法の違いから4種類あります。
家庭で、砂糖を加熱して作るカラメルソースのように、糖類などを加熱して作るシンプルな物から、亜硫酸化合物やアンモニア化合物など酸やアルカリを加えて作るものまであります。
実際、シンプルな物ではコストがかなりかかるので、ほとんどの場合、酸やアルカリを加えて作ったカラメル色素を使用するのがほとんどのようです。
これらのカラメル色素のうち、酸やアルカリを加えて作る過程で4-メチルイミダゾール、という発がん物質ができてしまいます。
発がん物質の他、カラメル色素には、免疫機能低下、口内炎、皮膚炎、体重減少、食欲減退と言った健康への影響が報告されています。
ところが、原材料には"カラメル色素"とあるだけで、区別はつきません。
安全性について、マウスやラットで2年間試験がされ、シンプルなカラメル色素も約1ヶ月の試験で発がん性が見られなかった、と報告があります。
また、1日の許容摂取量は体重1kgあたり200mg以下で設定されていて、日本人1人の1日推定摂取量の24〜30倍で十分安全性は確保されている、という事だそうです。
ただ、人によって耐性や許容量は様々であることも考えられますし、できるだけ、避けるに越したことはないですよね。
「カラメル色素の食品への利用と安全性」安全工学2017年p356