ミュンヘンに鉄道が定刻で到着してくれたおかげで3時間半ほどのレイオーバータイムができました。
レジデンツは行ったことがあるので、少しトラムに乗りますがニンフェンブルク城とその公園に行ってみました。
城内の展示施設と、別棟にある馬車博物館は開館。公園内に点在している建物は冬季休館で、コンビチケットは12€。
オンラインチケットを電車が遅れないと確証が取れたミュンヘン到着前に購入しました。

 

初日に泊まったホテルとは駅を挟んで逆側のトラム停留所(中央駅北)から10分に一本(休日昼間)運転している17番トラムで20分です。16番だと一つ手前までしか行かないのですが、それでもちょっと余計に歩くだけです。

 

停留所(ニンフェンブルグ城停留所)の前の運河は氷っていて、氷上で遊んでいる人多数。

なんだかフランドル絵画を見ているような気になりました。

 

その逆側からお城を望みます。停留所からは凍結している歩道を歩いて約10分。(凍ってなければもう少し早く着きそうです)

 

池はここでは凍結しておらず。

 

この建物の中に博物館入口やミュージアムショップが入っています。荷物ロッカーも無料利用可能です。

このお城というか宮殿は、17世紀にバイエルン選帝侯の夏の居城として建てられていますが、有名なのは、バイエルン王国(立憲君主制の王国)ができた19世紀以降のルードウィヒ1世と、ここで生まれたルードウィヒ2世のゆかりの地だからだと思います。

 

チケット売り場前は行列が出来ていたので、オンラインチケットにして正解でした。入った後まずはお城のメインホールへ。

石の間と言われる大ホールの天井画はいつまでも見ていられるくらい。

 

 

 

広間から左右ウィングに居室だったり展示スペースがあります。

 

さて、ここに行きたかったのは、「美女の間」と言われる、ルードウィヒ1世が、目に留まった美人さんの肖像画を宮廷画家に書かせた作品36点(35人分)を展示している部屋があったからです。

 

 

部屋の3方に6x2x3=36幅の肖像画。すべての女性がルードウィヒの愛人だったわけではないそうですが、多くはそうだったようで。ドイツ近世史に残る、超どエロ王様、ルードウィヒ1世。さすがです。

さらにすごいのは、肖像画を見る限り、特に好みがあるわけでなさそうなこと。いろんなタイプの方と関係を持たれたようで…。

 

以上36枚ですが、とりわけ有名なのが以下の3人だと思います。

 

Helen Sedlmayrの像。靴職人の娘さんですが、子供のおもちゃか何かを納めにお城に出入りしていた、15歳の頃に王様のお気に入りになったそうで。その後、王の従者と結婚し10人のお子さんを設けて居ます。(当時DNA検査があればとかゲスなことは言いますまい)

 

世界史にも類を見ない、ファム・ファタール、Jane Digbyの像。英国貴族の出自だそうですが、

彼女はどうも富や名声には興味がなさそうで、王様の愛人になっている間に、別の貴族と恋に落ちて子供を産んでいますし、ルードウィヒ一世の息子とも関係をもち、その後、アルバニアの将軍だとか、アラビアの戦士と一緒に過ごすという、まあなんというか、波瀾万丈の4乗くらいの人生を歩んだ人です。

 

ローラ・モンテスの像。国王が彼女を見染めたのは60才の頃で、彼女は25才。自称スペイン人のダンサー(ホントはアイルランド人)だったそうです。

王様、彼女に入れあげるあまり、無理やり爵位を与えたり、彼女も調子に乗って国政に口出ししたりで、王は退位、女性は国外追放。(その後、お金持ちの愛人になり世界を渡り歩くも、結局一人アメリカで病を得て亡くなったそうです。国王の愛人キャラで公演を行ったりとたくましい人生だと思うのですが)

王の退位は身から出た錆としか言いようがありませんが、さすが、ドイツの超どエロ大王の面目躍如。日本の有名人のスキャンダルの威力とは比べ物にならない、国政を揺るがしたわけですから。

 

(ちなみに、立憲君主制でどれだけ政策の実施に影響があったかはわかりませんが、運河の建設や鉄道の敷設など彼の時代にバイエルンの近代化が大きく進んだ事実も付け加えたいと思います)

 

 

 

王妃の寝室。美人画ギャラリーはこちら側のウィングにありましたが、もともとあったわけでなく、コレクションを別目的の部屋に展示するようになったとのこと。さすがに王妃の居室の脇に愛人コレクションの絵画をかけるわけにはいかないですよね。

 

 

展示スペースはそれほど広いわけでないので、ゆっくり見ても1時間は必要ない大きさでした。
せっかく買った、馬車博物館の方にも行ってみました。

 

 

8頭立ての馬車。儀礼用でしょうが、すげー。

 

これは王子用の車。車輪にはフェルトがまかれており、これで屋内でも遊んでいたとのこと。

 

きんきら馬車、その①

 

きんきら馬車、その②

こういうキンキラ趣味がドイツの王族共通のような気がしてなりません。

 

そり。ちょっとバランスが悪い気も。

 

このそりにワーグナーと楽団が乗り演奏したそうです。趣味がいいのだか悪いのだか。

 

ニンフェンブルグ城の屋内展示、なかなか面白かったです。

 

まだ電車の時間まであったので、宮殿の背後に広がる広大な庭園も散歩してみます。

長くなってので、次回に続きます。