古典に見られる適切な食事（ミターハーラ）、推奨する食事、推奨しない食事

インドの古典には正しい食事（ミターハーラ）について詳細に説かれています。それらを大まかにまとめ手ご紹介します。

適切な食事の重要性

ハタ・ヨーガ教典、『バガヴァドギーター』、アーユルヴェーダの文献では、ミターハーラ（mitāhāra）、つまり正しい食事（適切な食事）についての教えが含まれています。過食、小食、断食を避け、長すぎず短すぎない時間でゆっくりと食べること、胃の4分の1を空ける量を食べること、などが明示されています。また食べ物の純粋性と栄養価も重要です。さらに油質や甘味のある食べ物、滋養のある食べ物が推奨されています。

ハタヨーガの食事

『ハタヨーガプラディーピカー』『ゲーランダサンヒター』などのなど、ハタヨーガの古典では、世俗から離れ、ヨーガの修行を行うヨーギーの食事を説いています。したがって、一般の人がそのまま適用できません。

穀物、乳製品、野菜、果物、その他の特定の食品群が推奨されています。一方で、苦味、酸味、塩味、辛味などの強い味や、腐った食べ物、刺激物、過剰な油性、アルコールなどが避けるべきものとしてリストアップされています。これらの文献では、具体的な食品リストとその調理法、量について詳細に述べられています。

バガヴァドギーターの食事

叙事詩『バガヴァドギーター』では、食事は、静寂の意識、真我を得て、本来の人生を生きるための悟りの人生のための食事であり、サットヴァという純粋性が求められています。

過食や小食を避け、節度ある生活を推奨しています。特にサットヴァ（純質）、ラジャス（動質）、タマス（暗質）という三つのエネルギーに基づいて食べ物を分類し、それぞれがもたらす効果について述べています。サットヴァ的な食べ物が瞑想や真我の経験を通して解脱を得るためには重要となります。

アーユルヴェーダの食事指針

伝承医学のアーユルヴェーダでは、心身のバランスが取れ、病気を治癒し、健康で長生きするための食事が説かれています。

五大元素とドーシャに基づいて食べ物を分類し、体質（ヴァータ、ピッタ、カパ）に応じた食事の摂取を推奨しています。また、味（ラサ）、属性（グナ）、効力（ヴィーリャ）、機能（カルマ）などの観点から食べ物を評価し、適切な食習慣と誤った食習慣を明確に区別しています。特に、ドーシャのバランス、消化力（アグニ）、適切な排泄（マラ）、五感の機能や心の平和が健康にとって重要です。

消化能力以上に食べたり、消化力が弱いと未消化物（アーマ）が体内の経路（スロータス）につまり、そこからびょいうきへと発展していくため、以下にきちんと食べ物を消化し、肉体組織や精神的エネルギーに変えていくかが重要となります。