<未払い賃金>「蛇の目ミシン」に労基署が是正勧告 | Facebookで採用を変える人事コンサルタント日記

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家庭用ミシン大手の「蛇の目ミシン工業」(東京都八王子市)が委任販売員に労働基準法に基づく賃金を支給していないとして、八王子労働基準監督署は31日、申告者3人の未払い賃金を払うよう是正勧告を出した。同社は「委任販売員は個人事業主で労働者ではなく、雇用関係もない」と主張していたが、労基署は労働者と認め、同社に全社的な調査を促した。同様の販売手法が広がる中、他の業界にも影響しそうだ。

申告していたのは、「派遣ユニオン 蛇の目ミシン支部」の伊藤彰俊さん(46)ら。伊藤さんによると、セールス業務をする同社の委任販売員の給与は完全歩合制で、雇用保険や社会保険は適用されず、有給休暇や残業代も認められない。伊藤さんの平均月収は10万円程度で、ガソリン代など業務に要する経費を除くと手元には5万円程度しか残らない。

会社側は指揮命令を否定するが、伊藤さんは「社員と同じ働き方をしており、実態は労働者だ」と主張する。

伊藤さんは08年3月、賃金未払いなどについて同労基署に申告したが、「労働者性を確認できない」として指導を見送られたため、ユニオンを結成し、10年2月に2回目の申告をした。労基署は伊藤さんらが記録していた労働時間を基に最低賃金相当の保証給や有給休暇分の給与を支払うよう勧告。併せて全委任販売員の実態調査をするよう指導した。

伊藤さんらによると、委任販売員は約150人。派遣ユニオンの関根秀一郎書記長は「労働者が一方的に個人事業主扱いにされる『名ばかり事業主』が増えている。波及効果も期待できる」と話す。

蛇の目ミシン工業は「勧告の内容を検討し、対応を決めたい」と話している。(2/1 毎日新聞)

→欧米では一般的な就業形態であるIndependent Contractor「個人事業主」。派遣法の厳格化や個人が会社組織に縛られない自由な働き方として、日本でも個人事業主が増加傾向にありますが冷や水をかけるようなニュースです。
日本には未だ曖昧を美とする傾向にありますが、契約ごとに曖昧はタブーです。
焦点はふたつ。(1)会社側の指揮命令が発生したのか。 (2)契約内容と実態に乖離はなかったか。

ここまでの問題にならずとも、ついでに日本企業の弱点をもうひとつ。Job Description(職務記述書)を書くのが苦手であるということ。
私は以前、外資系に勤めていた際にアシスタントを採用することになり、その稟議書類として上司からジョブディスクリプションの提出を求められましたが、その際に何度も書き直しを命じられました。
正直、そこまで厳密に書かなくても・・・と当時は思ったものですが、アシスタントに期待する役割がはっきりするとともに、上司としての自分自身の役割を見直すきっかけにもなりました。
特に社内のグローバル化を推進する企業の皆様には、ジョブディスクリプションの明確化をお勧めします。